高校3年間は、過ごし方や選択で将来が大きく変わってしまう大事な時期。「勉強がうまくいかない」「進路が決まらない」など、悩みが尽きないでしょう。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者からの勉強や進路に関わるお悩み相談に答えてもらいました。

【お悩み】勉強しないといけないのにスマホが手離せない

私はどうしてもスマホが離せません。「勉強しないと……」と思ってはいるのですが、気付けばスマホを開き、LINEやインスタなどをついつい覗いてしまいます。

気付いたらスマホを触っている……(写真はイメージ)

このようなときにどうやってスマホを触らないようにできるのでしょうか。生活する上で工夫できることや考え方のコツがあれば教えていただきたいです。(高校1年生女子・P.N.ふーか)

スマホを見ないようにする仕組みづくりを

私も同じです。毎日スマホばかり見ています。大人でもこうなのだから、高校生もそうなることは自然なことです。しかし、大人には仕事が、高校生には勉強がありますよね。ずっとスマホばかりを見ているといつまでも、仕事や勉強はできません。

そこで、大切なことは、「意志が強い、弱いという問題ではない」ということです。人間は皆、そんな意志が強いことはありません。弱いよりも強いほうがいいかもしれませんが、意志を強くすることは容易ではありません。ですから、意志を強くする方法ではなく、仕組みを作っていくことをお勧めします。

そこで仕組みを作る方法を5つ紹介しましょう。

仕組みを作っていくのがお勧め(写真はイメージ)

(1)見る時間帯を決める【定番】

この方法は、通常よく言われる方法です。つまり、朝の時間、休み時間、夕方の1時間など見る時間帯を予め決めておき、その時間帯に見るように習慣付けする方法です。しかし、この方法では、本人の意志の力に左右されるため、仕組みとしてはあまり適切ではありません。この方法が向いている人は、スケジュールで自分を管理できる人です。スケジュールを作っても実行できないタイプの場合は、この方法は向いていません。

(2)スマホ以外の楽しい時間を増やす【そらす】

この方法は、自分の意識をスマホ以外に向けてしまうという方法です。そもそも、なぜスマホを見てしまうかと言うと暇だからです。その暇な時間を別のやりたいことに振り向けてしまうことによって、結果としてスマホを見る時間が減少していきます。 例えば、友達と話をすることが楽しいとか、読書することが楽しいとか、夢中になれることがあれば、その時間はスマホを見ることはありませんよね。このようにして注意をそらさせると言う方法があります。

楽しい時間を過ごしてスマホから注意をそらす(写真はイメージ)

(3)スマホを勉強に利用する【逆転発想】

方法は、スマホを逆に利用してしまうと言う方法です。スマホがあるために勉強ができないということは確かによく起こりますが、スマホそのものを勉強のツールにしてしまうこともできます。ただし、スマホを利用している最中にLINEが飛んできたり、インスタを見てしまう誘惑に駆られてしまう事はあります。 しかし、少なくともスマホを使って勉強する時間帯は増えることになります。

(4)親のせいにする【特殊技】

この方法は意外に思うかもしれませんね。親のせいにするとはどういうことかと言うと、夜の時間帯は親から決められたルールでスマホが見られないと言うことで友達たちに話をしておきます。するとLINEに返信をしなくてもそれは自分がしていないのではなく、家庭のルールによってできないとしてしまう方法もあります。 親には気の毒ですが、そのように協力してもらうこともできます。またその間、スクリーンタイムで見られない設定しまうとか、電源を切ってしまうとか、親に預けるとかそういった手段を使うこともできます。

(5)スマホ持ち込み、使用禁止の場にいる時間を増やす【現実的方法】

この方法は、最も現実的な方法です。したがって5つの中で一番オススメの方法になります。例えば、学校の教室にいるときはスマホを閲覧する事はできないかと思います。また塾で勉強している時も同様でしょう。そのように、スマホ持ち込み禁止、または使用禁止の場に自分の身を置いてしまうのです。

以上、5つの方法があるので、試してみて自分に合った方法を見つけてみてくださいね。

 
石田勝紀さん 
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数

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