体は女性ですが、自身は「男性でも女性でもない」と捉えている碧さん(高校1年)。日常生活のさまざまな場面で「女らしさ」を強要されることに苦痛を感じています。「性別ではなく、自分らしさを認めてほしい」といいます。

体は女性「でも女性でも男性でもない」

僕は、身体的には女性。ですが、性自認(自分の性をどのように認識しているか)は、無性のFtX(戸籍上の性別が女性で自分の性別が男性にも女性にも当てはまらない方)です。

日常でもジェンダーを感じる場面は多い

僕の性表現は男性で、服や言葉遣いが女性らしくありません。そのため親からは「女子なんだからスカートをはいて」「JKなんだから化粧の練習したほうがいい」など、女らしさを強要されます。僕の性自認は女性ではないので、「女性だから」と女らしさを強要されるのは本当に苦痛です。

「クラスの女子でお揃い」がつらい

先日、高校で体育祭がありました。身体の作りが違うため、出る競技が男女で分かれているのはしょうがないと思い、諦めていました。しかし、体育祭数日前にクラスLINEで、「女子は全員髪型をアレンジしておそろいにしよう」と決まってしまいました。女子扱いされるのは嫌いだし、女の子らしい格好をするのも嫌なので無視していましたが、教室で「碧も絶対やってね!」と言われてしまい、すごく困りました。

髪の長さが足りない、アレンジするのは恥ずかしい、競技がしづらくなる、といった言い訳をして最終的に僕だけやらないまま体育祭の日を過ごしました。イベントを盛り上げるために決めたことなのに、自分のわがままを通していいのか、と悩んでしまいました。

一人称に悩み、「私」呼びに違和感

僕は、普段から一人称を使い分けています。家では「碧」(自分の名前)、学校などの外出先では「自分」、ネットや仲の良い友達との間では「僕」を使っています。

この間きょうだいに、高校生になったのに一人称が自分の名前なのは恥ずかしいから、「私」に変えたほうが良い、と言われました。

僕も、そろそろ家での一人称について考えなくてはいけないと思っていましたが、どうしても「私」という一人称に違和感を抱いてしまいます。

多様性が認められる世界になってほしいと願う

社会に出ると男女関係なく一人称が「私」であることが望ましい、とされているそうですが、僕はまだ高校生です。僕の周りで「私」を使っているのは、女子ばかりです。「私」を使っている男子も1人だけいますが、よく、「男子なのに」と言われています。

身体が女性で一人称が「僕」や「俺」だと、イタイやつと言われてしまうこともあります。男だからこれ、女だからこれではなく、性別関係なく自分の使いたい一人称を使えるようになったらいいな、と思っています。

らしさを強要しないで

性自認が身体的性と異なっている僕は、普段から男らしさや女らしさを強要されることに敏感です。普段の何気ない会話、学校の制服、言葉遣いなど、日常生活のさまざまな場面で男らしさや女らしさを強要されます。

性別に縛られず、「自分らしさ」を大切にしていけるような世の中になってほしいです。(高校1年・碧)

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