私は高校の制服でスラックスを選択しました。入学当初、クラスメートはそのことで私の性自認を気にしていました。ジェンダー平等を目指す活動が活発化する中、私の考える必要な配慮、「同じように接する」ことについてお伝えします。(高校生記者・もん=1年)
スラックス制服の私、クラスメートから距離置かれ
私は幼少期の皮膚炎の跡が足に残っていることから、高校の制服ではスラックスを選びました。スラックスの着用に特別な届け出などは不要ですが、入学時、クラスの女子でスラックスを着用していたのは私だけでした。
そして同時期、疑問を感じたことがありました。同性のクラスメートが、他の人のことは下の名前で呼ぶのに、私のことは名字に「さん付け」で呼ぶなど、私との間に一定の距離を置いているのです。会話や昼食には積極的に誘ってくれたので、それでも寂しい気持ちになることはありませんでした。
「ちゃん付けで呼んでもいい?」と聞かれて
距離を置かれていた理由がわかったのは、入学から数週間たち、友達と話していた時でした。突然真剣な表情で「ちゃん付けで呼んでもいい?」と聞かれたのです。私は質問の意図がよくわからないまま「全然大丈夫だよ」と答えました。
直後に友達の顔が穏やかになるのを見た私は、スラックスを着用している私の性自認を気にしていたんだと気づきました。
誰でもジェンダーレス制服を選んでいい
私が伝えたいのは、「ジェンダーレス制服は、トランスジェンダーの生徒のためだけではない」ということです。
制服でスカートかスラックスか選べるなど、性に対する配慮は身近にあります。友達の発言もその子なりの配慮だったのだと思いますし、そのような心遣いがトランスジェンダーの人々の生きづらさを軽減していくきっかけになるとも思います。
ですが、「ジェンダーレス制服=トランスジェンダーの生徒のためだけ」という認識が世間に広く根付くと、私のような理由でスラックス着用を希望しづらくなってしまうのではないでしょうか。
もしクラスや部活で、ジェンダーレス制服を着用している人と出会ったときには、「まずはいつも通りに」接してみてほしいと思います。