大学入学共通テストの導入から1年。大学入試の制度は大きく変化しました。私は関西にある国立大教育学部の学校推薦型選抜(推薦入試)を受験。コロナ禍と入試改革に翻弄(ほんろう)されながらも無事に合格をつかみました。受験前日から当日にかけてどのように過ごしたのか、高校生の皆さんへのアドバイスも交えながら紹介します。(かんちゃん=大学1年)

学校推薦で受験、半年前から対策

私の受けた学校推薦型選抜は、専門課題と面接の結果を総合して合否が決まります。国語や英語など教科の試験はありません。

高校生の頃、憧れていた大学の門

「地元で教師になりたいという熱意や学業成績を生かしたい」「この大学に進学したい」という思いが合致したため、学校推薦型選抜を選択しました。

私は半年前から受験対策を始めました。学校の先生と小論文・面接の練習を繰り返しました。うまく書けない、話せない自分に嫌気がさしながらも、誠実に取り組んでいたのが懐かしいです。

小論文や面接は成果が目に見えにくい

高校生の皆さんは「小論文や面接はセンスのある人が有利」と考えるかもしれません。しかし、小論文や面接は「センス」の一言で片付けられないほど、さまざまな能力が要求される試験です。

例えば小論文では「的確な文章構成で自分の主張を伝える力」などが、面接では「他者の話を傾聴する力」などが要求されます。教科の試験に比べて、成果が目に見えにくいですが、努力は報われますので頑張って対策をしてください。

また、教育学部志望の受験生には、教育に関する本を読んでおくのはもちろんのこと、その大学がある都道府県の話題も勉強しておくことをオススメします。

自己分析や考えたことをまとめるノートを作った

私は、小論文の添削結果や面接練習の中で考えたこと、自己分析をした結果などを1冊のノートにまとめていました。

小論文や面接では「自分の考えを適切に表現できるか」が問われます。そのため、受験前日はノートや参考書を見返し、それまでに考えたことや学んだことを振り返っていました。

高校生の皆さんは、試験本番が迫ってくると不安になり「自分の受験対策は正しかったのか?」などと悔やむかもしれません。しかし、対策がうまくいったかどうかは合格発表日にしか分かりません。

前日は自分に自信をつけるために、少し易しめの参考書やノートを見返し、入試に気持ちよく挑めるようなメンタルを保つことをお勧めします。私もこの方法を実践し、リラックスできました。

面接ノート。丁寧に自己分析をしているページ

試験当日「この時を楽しもう」と心落ち着けて

いよいよ試験当日。私が何より気をつけたのは、「時間を厳守すること」です。「当たり前だよ」と思われるかもしれません。しかし、遅刻したら試験が受けられないこともあるので、かなり重要です。

それに加えて私は、「忘れ物はないか」「志望理由を明確に話せるか」などを入念に確認して会場へ向かいました。そして電車の中ではスマホを一切触らず、参考書の復習に専念しました。

小論文・面接ともに円滑に受験できましたが、緊張がたたって小論文の試験中にパニック状態になりました。今でも後悔しています。

文章を丁寧に書こうと思いすぎた結果、時間が足りなくなってしまったのです。そのせいで、小論文の「まとめ」の部分が手薄になってしまいました。

自分の勉強不足を実感したものの、どうしようもないので「今この時を楽しもう!」と思うことで、心を落ち着けてテストと向き合いました。試験後は、内容を振り返るのを控え、頑張った自分をたたえました。

4.7倍という高倍率でしたが、何とか合格できました。

今は自然に囲まれたキャンパスで、将来教師になるための学びを積んでいます。大学生活にも徐々に慣れていきました。

受験生の皆さん、人生何があるか分かりません。どうか諦めずに入試にチャレンジしてください。努力は必ずあなたの力になります。