私は中学時代の経験から「人前で発表すること」がトラウマになっていました。完璧にしたいという思いが強く、高校でも失敗してしまい、一時はひどく落ち込みました。そんな自分とどう向き合ったか、お話しします。(高校生記者・めておーら=2年)

発表中、周りからの苦笑、失笑……

中学2年のとき、生徒会選挙の推薦責任者として、全校生徒の前で話すことに。

「いい演説にしよう」と意気込んだ結果、きれい事を並べた文章になりました。必死に練習していい気になっていた私。違和感を覚えたのは、発表中。「本当に推薦する人の良さが伝わっているのか」、本番で気づきました。

意気込みすぎて失敗……(写真はイメージ)

発表中に苦笑、失笑が聞こえてきて、恥ずかしくなりました。結局その人はギリギリで当選。「私のスピーチが悪かったのも一因?」と悩み、以来、自分の言葉で発表するのが怖くなってしまったのです。

完璧にしようとし過ぎて

高校生になって、意見を発表する機会が大きく増えました。「校内英語スピーチコンテスト」があり、「失敗しないように、完璧に話せるように」と練習しました。

しかしクラス発表で教壇に立った途端、とてつもない緊張が私を襲いました。自分の手の震えが視界に入り、より一層緊張するというループです。「完璧に話さないといけない、伝えないといけない」……完璧を求めすぎた私の末路は、着席した後の涙でした。

私の英作文は、完璧に書こうとし過ぎて辞書を使いまくり、その結果、等身大の言葉で伝えられていませんでした。

私の書いた英作文の原稿。下線部の所をリスニングで理解することができますか?

止まらない手の震え「逃げられない」

その後、校外活動をしている生徒により体験を語る場があり、「対面で行わないなら…」と思い応募。ところが本番前日になって、体育館で対面での発表になったと知り、休みたくなるくらい憂鬱(ゆううつ)に。でも逃げられない。前の人が立派に発表するのを見て、私は手の震えが止まりません。

「仕方ない」。腹をくくり、素でいこうと自分を奮い立たせました。姿勢良く立ってはみたものの、手の震えは止まらない。でも、ゆっくりとした口調で、噛んでもいいから原稿を最後まで読みきるのを目標に、話しました。

完璧とは言えませんでしたが、満足感を覚えました。やっと「自信を持った自分」に近づいた気がしました。

「自信を持った自分」に近づいた気がした……

等身大の自分を確認できた

先生から「よくやったね。あの頃と全然違ってたよ!」と言われた時の感動とうれしさと達成感といったら……。

以前の私は完璧を求めすぎていました。そのせいで自信を失くし、ふさぎ込んでいました。現在は、今の自分に合った目標を持ち、楽になりました。「等身大の自分」を確認すること。「今の自分」を確認し、新たな目標を設定するのが大事なことなんだと実感した経験でした。

私の自信度