東京藝術大学は11月26日、次期学長候補者に現代美術家で同大教授の日比野克彦氏(63)を選んだと発表した。文部科学大臣の任命を経て、来年4月1日に就任する。任期は6年間。

日比野克彦氏(2020年撮影)

日比野氏は1958年岐阜市生まれ。社会とアートをつなぐ活動で知られ、地域性を生かしたアート活動を展開してきた。1995年に同大助教授に就任し、2007年から教授。2016年に美術学部長に就任した。同大の学長選考会議は、学内の意向投票結果やヒアリング結果を踏まえて日比野氏を選んだ。

20年の高校生新聞の取材には、パソコンで描画や彫刻制作、音楽の打ち込みができるようになっていることを挙げて「デジタル機器を若者が使いこなす世代が入学してくる時に大学はどうしていくか、問われている」と話していた。「社会の中の課題を解決する糸口としてのアート」という考え方が、これからは重要になるとも指摘し、「美大を卒業した人材が社会で活躍する場が大いに増えてくる」とも強調していた。