思わず手に汗握る、ゴキブリとの死闘……。
誰にでも覚えがありそうな、息をのむゴキブリ退治の場面。これは、三ツ木夢夏さん(群馬・富岡実業高校3年)がてがけた写真作品「G戦場のアリャァ」です。文化部の全国大会「全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)」の写真部門に出展されました。どのようにして撮影したのか聞きました。
全力でゴキブリ退治、おもちゃを使って表現
―躍動感あるゴキブリ退治の場面。格闘中の顔が白熱してて印象的ですね…! どうしてゴキブリをテーマにしたんですか?
先生が小道具として巨大なゴキブリのおもちゃを買ってきてくださったんです。「このゴキブリを使って何か作品作りができないか」ということからゴキブリをテーマにしました。
ゴキブリが結構大きかったので、「大きさを生かした迫力のある作品を作りたいな」と考え、少し壮大なゴキブリ退治をテーマに撮影を始めました。
―どのように撮影しましたか?
冷や汗をかきながら全力でゴキブリ退治をしている様子を、ライト(光)やハエたたき、顔のドアップと引きの写真を交互にすることで表現したので、伝わればうれしいです。
2年生の県総文祭は翌年の全国総文につながる最後のチャンスでもあった(編集部注:全国大会は提出の翌年に開催される)し、夏休みは全力で頑張りました。全国大会が行われた現地(和歌山)には行けませんでしたが、全国出場を決められたことは本当にうれしかったです。
―こだわったり、工夫したりしたポイントは?
3枚目の左上にちらっと写っているゴキブリの羽です。プラ板を適当な大きさに切り、画像を検索して見ながら模様を描きました。その細い線を、手先の器用な工業科の先輩にお願いして彫ってもらいました。
私が細かく模様を描きすぎたので、ヒーヒー言いながらもやってくださいました。大感謝です。
汗を表現するため先生が容赦なく霧吹き
―何が難しかったですか?
プラ板の羽を固定することも大変でしたが、3枚目の構図の方が苦労しました。
モデルの顔とハエたたきを持つ手が足の間から覗くように、ゴキブリのベストポジションを探すのが難しく、撮影に一番時間がかかったと思います。どちらかが良いとどちらかが少し惜しかったりと、どっちも完璧な写真はかなり少なかったです。
―撮影中のエピソードを教えてください。
2枚目はつらい反り腰の姿勢なので、モデルの子に急かされながらも笑いながら撮影したのを覚えています。
1枚目と4枚目はヒヤヒヤドキドキ感や冷や汗を演出するために、霧吹きを使って顔面に水を吹きかけながら撮影をしました。先生が霧吹き係をやってくださったのですが、容赦なく吹きかけるのが本当に面白かったです。
―よい作品を作るためのコツを教えてください。
たくさん撮ることもそうですが、その中で構図などいろいろなことを少しずつ意識しながら撮るといいと思います。
他にもカメラに詳しい人がいれば聞いたり、大会の入賞作品などレベルの高い作品を見るのもおすすめです!