第49回衆議院議員選挙で議席数を伸ばす政党は? 10月31日の投開票を前に、新聞社などの報道機関は、有権者の投票の参考になるように、電話やインターネットでの調査などに基づいて選挙の当落を予測する情勢報道を実施している。ただ、今回は接戦とみられる選挙区が多いことを反映してか、中盤から終盤の情勢を報じる各社の見方はばらついている(各社の日付は紙面掲載日)。

全465議席を争う

衆院選は、全465議席を、小選挙区(289議席)と比例代表(176議席)に分けて争う。

岸田首相を支える政権与党は、自民党(選挙公示前は276議席)と公明党(同29議席)を合わせて、衆院の過半数(233議席)や、政権を安定して運営する議席数(安定多数=244議席や絶対安定多数=261議席)に達するかが注目点の1つ。

一方、立憲民主党(同110議席)、共産党(同12議席)、日本維新の会(同11議席)、国民民主党(同8議席)などの野党が政権への批判票を集めて議席を伸ばせるかも注目されている。

衆院選の情勢を伝える新聞各紙

朝日新聞「自民が過半数確保の勢い 立憲ほぼ横ばい」

朝日新聞(26日付)の調査結果では、自民党は公示前より減るが、単独で過半数を大きく上回り、接戦の選挙区次第では、絶対安定多数を単独で確保できる見通し。公明党は、公示前の議席は確保しそうな勢い。一方、野党第一党の立憲民主党は公示前からほぼ横ばいと予測している。日本維新の会は、公示前から3倍近くに増える見込み。共産党は公示前を上回る可能性があり、国民民主党は公示前と同程度の見込み。

産経新聞「自民が過半数へ攻防 立憲140議席の勢い」

一方、産経新聞(26日付)は、より自民党に厳しい情勢を予測する。自民党は単独過半数を維持しそうだが、公示前より30議席以上減らしそうだという。公明党は公示前の議席の確保が焦点。立憲民主党は公示前を大きく上回る140議席台をうかがう情勢という。日本維新の会は30議席に達する勢いとみている。共産党(公示前は11議席)は20議席近くまで伸ばす可能性があるという。

共同通信「自公で絶対安定多数 立憲は伸び悩み」

地方紙などに記事を配信する共同通信(27日付)によると、自民党は小選挙区約200で先行し、比例代表は公示前(66議席)に近づいている。公示前よりは減らす可能性があるが、与党の公明党とあわせて絶対安定多数を視野に入れるという。立憲民主党は伸び悩んでおり、公示前より伸ばせるかは接戦区次第という。日本維新の会は30議席超の勢い。共産党は公示前を上回る可能性がある。

読売新聞「自民の単独過半数は微妙 立憲は議席増の公算」

読売新聞(29日付)によると、自民党は野党に追い上げられる選挙区が目立ち、単独過半数を確保できるか微妙な情勢という。公明党は小選挙区の多くと比例選で順調。両党をあわせると安定多数をうかがう。一方、立憲民主党は、公示前から30近く増やす可能性があるという。日本維新の会は、公示前の3倍超をうかがう勢いだ。共産党は、公示前は上回る勢い。国民民主党は公示前の8議席の確保が焦点。

各社の予測では、れいわ新選組、社民党も、それぞれ1議席程度獲得の可能性がある。

選挙結果は流動的

各社の情勢調査は、電話やインターネットで有権者が投票しようとしている政党や候補者を調査し、過去の選挙での調査結果と投票結果の関係や、取材で得た情報もふまえて議席数を予測している。各社で調査方法が異なるほか、接戦の選挙区が多いとみられるために、予測はばらついている。いずれの調査でも、投票先を「まだ決めていない」という回答者も少なくなく、実際の選挙結果は見通せない。