順風満帆な中学時代を送っていたももっちさん(高校3年)。突然過呼吸の症状に悩まされるようになり、生活は一変。できないことが増え、周りから責められ、友達からも距離を置かれるようになりました。高校生になり、校内の弁論大会で自身のことを話したところ、彼女に激的な変化が訪れました。

教室に入ると過呼吸、苦しみ理解されず自分を責め

私は中学生のころ、生徒会や部活で充実した生活を送っていました。しかし、それは突然崩れ去ったのです。

教室に入ると過呼吸(不安や緊張など何らかの原因で激しく息を吸ったり吐いたりし息苦しくなる状況)を起こすようになり、しばらくそれが続きました。時がたてば治るだろうと思っていました。ですが、どんどんできないことが増えていきました。例えば「人目が怖くて外を歩けない」「人とご飯を食べられない」「人前でしゃべれない」「人とうまく関われない」などです。

中学生のとき、つらくなると1人で行った本屋。高校の友達と行ってからは心が安らぐ場所へと変わった

そんな私を見て、親や先生はできないことを責め、友達は「変なやつだ」と距離を置くようになりました。自分自身も、「何でできないんだ」と責め続けました。誰にも苦しみを理解してもらえず、「生きていて何の意味があるのか」と毎日のように考えていました。

「経験を共有したい」先生に背中押され弁論大会へ

高校入学後、過呼吸は起きていませんが、不安障害になりました。今もたまに軽い症状が出る時はあります。

こんな自分を知られたくなくて、周りには中学時代のことや今の状況を伝えていませんでした。でも、心のどこかで自分の経験を誰かに伝えて、「同じ症状で苦しむ人を救ってあげたい」と思っていました。

そこで、私は校内の弁論大会に出場することにしました。最初は、「周りの人に前と同じく距離を置かれるんじゃないか」「人前で話すと過呼吸を起こすのではないか」と、参加をためらっていました。ですが、担任の先生に「自分を変えるためにも、誰かのためにもやってみたら」と勧められ、決心がつきました。

それから毎日、原稿を書こうとすると気持ちが沈み、「出場をやめようか」と悩んだりして本当につらかったです

病気がある後ろめたさから解放された

弁論をやってみると、聴いた友達が泣いていたり、自らの経験を話しに来てくれたりと、自分が思っていた以上に温かい反応があってとってもうれしかったです。そして、病気がある後ろめたさから解放され、本当に気持ちが良かったです。

友達と温泉旅行に。誕生日をサプライズで祝ってもらった最高の瞬間

私には将来「医者になりたい」という夢がありましたが、(中学時代に)先生に「無理だ」と言われました。また、高校に行っても(登校が)続かないだろうとも言われました。でも今は、休むことなく毎日学校に行っています。そして、将来の夢に向かって勉学に励んでいます。

もし、皆さんの中に自分に自信がなく行動をためらっている人がいるなら、勇気を持って挑戦してみてくださいと伝えたいです。(高校3年・ももっち)