アメリカの高校生はどんな生活を送っているのでしょうか? メイン州で3年間の高校生活を過ごしたアメリカ人のマッシモ君(3年、現在イタリアのインターナショナルスクールに通学中)に話を聞きました。(取材・翻訳 高校生記者・もも=3年)

自分で車を運転し通学

―アメリカで通っていた高校での1日のスケジュールは?

毎朝8時に学校が始まるので、7時に起き、自分で車を運転して学校に行っていました。高校2年生(16歳)で免許を取るまではバス通学でしたが、高校では上級生の多くが同じように車通学をしていました。

マッシモさん。日本滞在時の写真

学校では、昼休みを挟んで70分の授業が4コマありました。授業は毎日同じものがあって、学期ごとに変わります。

放課後は部活がありますが、シーズンごとに種目が異なっていました。私は、秋学期はサッカーを、冬学期はジャズバンドをしていました。サッカーをしていた時期は、練習は6時ごろまででしたが、冬学期のうち、バンドのコンクールがある2月から4月は夜9時まで学校に残って練習することもありました。

サッカーをするマッシモさん。部活はシーズンごとに異なる

単位制で卒業必須科目はほぼなし

―どんな授業を取っていましたか?

アメリカで通っていた高校は単位制で、卒業の必須科目はほとんどありません。自分が好きな授業を好きなときに取れるため、同じクラスに他の学年の生徒がいることもよくありました。家庭科や体育の授業はとても楽しかったです。

難しい授業としては、音楽理論の授業がありました。私は取っていませんでしたが、犯罪学の授業もあり、授業では指紋の取り方なども学ぶそうです。

私は必須の数学の単位を他の生徒より早く取得したので、その後は大学でさらに難しい授業を受け、単位を取っていました。

―どのような先生がいましたか?

1人の先生が担当する生徒の数が多いので、今通っているインターナショナルスクールに比べて先生との距離が遠かった。ですが、上級生の多い微積の授業では生徒全員が運転免許を持っていたので、先生と一緒に授業時間内に車を運転して外に出かけたこともありました。

―英語以外の言語の授業は?

外国語は必須ではありませんでしたが、私はスペイン語を2学期間勉強しました。アメリカでは、英語と同様にスペイン語が公の場で使われているので、スペイン語を勉強する生徒はとても多いと思います。

スペイン語で一定のレベルまで達した生徒の中から、選考でグアテマラでの2週間の語学研修に参加できるという制度がありました。私は去年の春にその研修に参加する権利を得ましたが、コロナで中止になってしまいました。

―学校や課外活動のない自由時間にはどのようなことをして過ごしていましたか?

友人とバスケやサッカーをしたり、同じジャズバンドの友人の家で楽器を弾き、バンド以外の友人も招いてハウスパーティーを開いたりしていました。

部活動ではジャズバンドを選択。友人と音楽を楽しんだ

日本食とアニメが人気、地下鉄のきれいさにびっくり

―アメリカでは、日本のどのようなものが有名ですか?

おすしはもちろん、とんかつなどの日本食が人気で、食料品店にも大きな日本食コーナーがあります。

ジブリ映画、ナルト、ドラゴンボール、進撃の巨人などのアニメももちろん人気です。

―2年前には日本に1カ月滞在したこともあるんでしたね。日本滞在中のことについて教えてください。

2年前の夏、16歳のころに、日本人の友達の祖父母の家(つくば、京都)にそれぞれ2週間滞在しました。京都では和束町の茶畑で茶摘みや焙煎(ばいせん)、茶道を体験しました。

東京にも行ったのですが、地下鉄のきれいさに驚きました。ニューヨークの地下鉄には、時々歌手などのパフォーマーがいたりするので、それとは対照的な静かさも日本らしいと思います。女性専用車両があることも、痴漢対策にはとても効果的なのではと思います。

日本には1カ月滞在した

―大学には進学しますか? 何を勉強する予定ですか?

今は、アメリカに帰り、数学とビジネスを勉強しようと考えています。

アメリカの高校の友人の多くが大学進学を選びます。しかし、まれなケースではありますが、海の近くに住んでいる友人の中には、高校を中退して家業の漁業を継ぎ、たくさん稼いでいるようなユニークな人もいます。