地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する佐々木春奈さん(文科2類1年、宮城県仙台第二高校出身)から高校生への、「勉強と部活の両立」のアドバイスを紹介します。

今回は勉強と部活動の両立の方法についてお話ししようと思います。

と言ってもここに書くのはあくまで個人の意見なので、みなさんにとって良い方法なのかどうかは分かりません。

「ふーん、こう考える人もいるんだ」ぐらいに感じていただけたらと思います。

勉強も部活もきちんとこなすのに大切なのは何だと思いますか?

当たり前かと思いますが、それは効率よく勉強すること。

具体的には「部活によって勉強時間が限られる中で、それぞれの勉強内容に適した時間の使い方をする」ことです。

……どういうことでしょうか?

私がお勧めする勉強法を勉強内容ごとに書いていくので、それを参考にしつつ効率の良い勉強とは何なのか考えてみてください。

しっかり考える勉強は朝がおすすめ

①数学の宿題や英語・古典の予習

自分の頭でしっかり考える必要がある教科、ある程度まとまった時間が必要な内容の勉強です。

こういったタイプは朝にやるのがおすすめです。

部活が終わって家に帰り疲れ切った状態で取り組むと、頭が回らずに時間が無駄になってしまうからです。

みなさんの中でも部活が終わるともうクタクタ、ご飯食べてお風呂に入ったらもう眠くなっちゃうって方、多いと思います。

でも数学の宿題やらなきゃ、とか古典の予習しなきゃ、とか思って、眠い中課題に取り組んでたりしてませんか?

私も高校に入っての最初の頃は睡魔と戦いつつ宿題や予習をやっていたのですが、

ついついぼーっとしたり、集中できずに同じところを何度も読み返したりするなど、全然進まないままただただ時間だけ過ぎていくことがよくありました。

これ、本当に効率が悪いです。考える系の勉強は頭がシャキッとした状態で、集中力を高めて取り組むのがベストなやり方。

そのためにはしっかり休む必要があります。疲れて眠い時はさっさと寝てしまい、そして朝少し早く起きて勉強しましょう。

きちんと睡眠をとった後だと、ぼんやりしながら取り組むときより遥かに短時間で終わります。

まとめてみるとこんな感じです。

・勉強内容:頭を使う

・適した時間の使い方:きちんと寝て朝に取り組む

・どこが適している?:頭がクリアな状態で集中して取り組める

暗記系の勉強はすき間時間がおすすめ

②英単語、古典単語

こういった暗記系のものはすき間時間を使うのがベストです。

家を出るまでのちょっとした時間、電車やバスに乗ってる時間、次の授業が始まるまでの2、3分など、部活が忙しくてもこうしたすき間時間は意外とたくさんあります。

(私は電車通学だったので単語の勉強は電車の中だけで終わらせると決めていました)

忙しい中でまとまった時間を単語に当てるのはもったいないし、何より1度に覚えられる単語の量って結構少ないものです。

暗記ものは繰り返し覚えることでしっかり記憶に定着します。すき間時間を使って少しずつ繰り返し覚えていくのが実は1番効率がいい方法です。

部活で忙しいからこそ、すき間時間はうまく見つけて活用しましょう。

(ちなみに手元に何も持っていない状態で頭の中で思い出すのもおすすめの暗記法です。

「朝やった単語なんだっけ」「この単語の二つ目の意味ってなんだったかな」と頭の中で自問自答することで、

アウトプットの練習になるとともに、どこまで覚えたのかがはっきりします。

ただ単語帳を眺めるより効率よく覚えることができますよ。しかも、いつでもどこでもできます。)

まとめてみるとこんな感じです。

・勉強内容:覚える

・適した時間の使い方:すき間時間

・どこが適している?:暗記ものは少しずつ繰り返し取り組むと記憶に定着する

……効率的な勉強の仕方、なんとなくわかっていただけたでしょうか。勉強の内容ごとに効果のある時間の使い方って結構変わってきますよね。

もちろん最初にも言ったように、ここに書いたものがみなさんにとって良い方法なのかは分かりません。勉強方法は千差万別ですから。

ただ一つ覚えていて欲しいのは、部活で忙しいからこそ、本当に自分の勉強方法が効率の良いものなのか、時間の使い方は適切か、考えてみることが重要だということです。

ただがむしゃらに勉強するのには限界があります。

みなさんには自分の費やす労力を最大限に活かせるような方法を探していって欲しいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。みなさんに追い風が吹くことを祈っています。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。