関東地区代表のパンケーキ(写真提供・よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

高校生による漫才の頂点を決める「ハイスクールマンザイ2015~H-1甲子園~」決勝大会が8月30日、大阪のなんばグランド花月で開催された。13回目の今回は、全国から約1000人が地区予選に参加し、決勝には9組が進出。頂点に立ったのは、関東地区代表の「パンケーキ」だった。生年月日が同じという「運命のコンビ」だ。(坂祐三)

「優勝はパンケーキ!」

コンビ名を読み上げられると、つっこみ役の矢島裕也君(東京・小平西高校2年)とボケ役の松尾裕人君(同校2年)は、共に両手を上げ歓喜の表情を見せた。「日本一は、本当に気持ちいい」と矢島君が言えば、「こんな大きな舞台に立てて、しかも優勝できて感激です」と松尾君。

■オール巨人さんも評価

審査委員長のオール巨人さんが「センスがある」と評したネタは、松尾君の滑舌の悪さを逆手に取ったもの。「きゃりーぱみゅぱみゅ」を発音できずに「KPP」と略してしまうなどのネタで、ややアウェー感のあった「お笑いの聖地」の満員の客席を爆笑の渦に巻き込んだ。

コンビを組んだのは昨年11月、高校の文化祭からだった。「150人ぐらいの前で、やったんですが、すごく受けたのが気持ちよかった」と矢島君。ネタを作っている松尾君は、「滑舌の悪さは、中学校までコンプレックスだったんですけど、お笑いを始めてからは武器になりました」と、短所を利用した手法に、してやったりの表情。

月に1本は新しいネタを作ってきたものの、「4月にスランプに陥ってしまい、書けなくなった」と松尾君。生みの苦しみを乗り越えての栄冠でもあった。

1998年9月25日、同じ日に生まれた2人の夢は、「お笑いの道に進みたい」とぴったり一致している。