アナウンサーのように原稿を読んだり、映像を制作したり……。マスコミに興味のある人や、発表したいことがある人には興味津々の放送部。強豪として知られる、松本深志高校(長野)放送委員会の皆さんに身につく力やできる経験など「10の魅力」を挙げてもらいました。

1、自分のやりたいことができる

放送部は、ニュースキャスターのように自分の声と言葉でわかりやすく伝える「読み」の部門や、ドキュメンタリー・ドラマを制作する「映像制作」など、多岐にわたる手段で活動をしています。

キーワードは「伝える」。たくさんの選択肢から自分のやりたいことを選び、挑戦できるのが醍醐味です。

撮影に使うカメラ

2、大会で全国各地に行ける

放送部は、県大会を勝ち進むと全国大会、ブロック大会への出場チャンスが多くあります。そのため、1年間に何度も県外に出かけることができるところも魅力です。

大会に出品する映像は事前に提出済みなので、肩の荷を下ろしてその地域の特色を楽しむこともできます。

アナウンスの練習の様子。大会では「読み」の部門もあります

3、パソコンを使いこなせるようになる

動画編集だけでなく、台本作りやインタビューの文字起こし等、放送部ではとにかくたくさんパソコンを使います。パソコンは習うより慣れよ。毎日使うのでいつの間にかタイピングも速くなり、使いこなせるようになります。

パソコンで番組の台本を作っている様子

4、写真を撮るのが上手になる

カメラワークは映像作品の命です。そのため、カメラの角度や距離感等にこだわって撮影しています。普段の努力で身についたセンスは、日常の中のふとしたスナップ写真の撮影にも生きてきます。放送部員の写真は、インスタ映え間違いなし!

アングルにこだわって撮影しています

5、テレビを見るのが楽しくなる

一度映像番組を作ってみると、普段見ているテレビのカメラワークや映像の切り替わりのタイミング、テロップの場所など、とっても気になるようになってしまいます。寝ぼけながら見ていた朝のニュースも、得られる情報が一気に増えて驚きました。

ニュースやドキュメンタリーばかりか、アニメやドラマも全く新しい見方で見るようになります。ただ、ブツブツ言うことが多くなり、家族からは「だまって見て」と文句が出ることも多々あります。

編集画面。映像や音楽の切り替わりにこだわって編集します

6、社会のマナーが身につく

番組のテーマに詳しい方にお話を聞くため、時には官庁や大学の関係者に電話やメールで交渉することもあります。

メールの書式や場をわきまえた的確な言葉遣いなど、失礼のないように細心の注意を払います。そこで、社会常識が必要に迫られ身に付きます。

取材の電話をしている様子。1日に何件も電話をかけることもあります

7、フットワークが軽くなる

番組制作は締め切りとの戦いです。立ち止まって迷っている暇はありません。わからないことがあればどこへでも電話をしたり、取材に出掛けたり、すぐに行動する習慣が身に付きます。時々疲れますが……。

部室のカレンダーには締め切りや取材の予定がどんどん書き込まれていきます

8、物事を順序立てて説明できるようになる

放送部で行っているのは、どれも「よりわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか」を考える活動です。伝える順番によってわかりやすさは大きく変わるため、自分が持っている情報を整理して、伝わりやすい順番を考えることを要求されます。

練習を積み重ねると、部活以外の場面でも物事を順序立てて説明する力が身に付きます。

カードを並べ替えて番組の構成を考えている様子

9、最後までやり切る力がつく

番組制作は、0か100か。どれだけ取材を頑張っても、締め切りまでに完成させることができなければ、全て無かったことになってしまいます。短い期間で諦めずに番組を作り上げる、やり切る力が付きます。

取材の成果を報告し合う様子。自分が興味を持ったことをとことん追求できます

10、何でも言える友人ができる

番組制作の過程では、演出や言葉の表現をめぐって意見が衝突することも多々あります。「傷つく」なんて柔なこと言ってられません。自分の言いたいことはきちんと伝え合うので、互いに何でも言えて、建設的に意見を交換し受け入れ合える貴重な友人ができます。

部員おそろいのパーカで記念撮影

部活データ

部員11人(1年生8人、2年生2人、3年生1人)。週4日、16時~18時半活動。部活動の受賞歴…8年連続NHK杯全国高校放送コンテスト出場(優勝2回・準優勝1回)、第39回地方の時代映像祭優秀賞など。