「高校のテストは科目数が多くて不安」「テストが返ってくると『次こそは頑張ろう』と思うのに実行に移せない」…そんな悩みを抱えている人も多いのでは? 大人気教育YouTuberの葉一さんに、高校でも着実に成果を出せる「テスト対策」のポイントを教えてもらいました。(安永美穂)

教科書に付箋、復習ポイントを見える化

高校では中学よりも科目数が増えるため、当然のことながら、テストに向けて勉強しなければならない科目の数が多くなります。「中学時代と同じタイミングでテスト勉強を始めるのでは間に合わない」ということは早めに認識しておいたほうがいいです。

そして、「テストが近づいてから勉強すればいいや」と思うのではなく、「テスト前の勉強をスムーズに進めるために、今、何ができるのか」を考えて、早めに手を打つことが大切です。

例えば、授業中にわからなかったところの教科書の該当ページに付箋を立てておけば、テスト前になったとき、「この付箋のところを重点的に復習すればいい」とわかり、勉強の優先順位がつけやすくなります。

付箋をつけていなかったら、テスト前の時点で教科書を読み直し、どこがわからなかったのかを見つけ出す作業からスタートしなければなりません。このひと手間をやっておくか、おかないかの差はとても大きいのです。

優先順位をつけ「3割カット」の計画を

テスト勉強の計画を立てるときは、あれもこれもと詰め込みすぎると、手付かずのままになるものが出てくるおそれがあるので要注意です。

最初にやろうと思ったもののうち3割はカットして、優先順位の高い7割をやり切れるような計画を立てることをおすすめします。

また、テスト勉強は計画通り順調に進められるとは限りません。週1日は何も予定を入れない予備日をつくっておくと、計画通りにできなかったときも調整ができます。

テスト前日やテスト期間中も、それまでに勉強したものの中で解けなかった問題などの復習をする必要が生じてくるため、最初の時点では予定を入れないようにしておきましょう。

なお、高校は中学と違い、定期テストに赤点(落第点)があり、赤点が続くと留年の危険があります。できれば高1・高2のうちは「この科目は苦手だから点数が取れなくてもいいや」という“捨て科目”は作らずに、全科目まんべんなく点数を取れるようにするのが理想です。

どの科目もバランスよく勉強したうえで、特に高得点を目指したいと思える得意科目があれば、その科目をとことん伸ばしていきましょう。得意科目で良い結果を出せれば勉強の楽しさを実感できますし、「他の科目も頑張ろう!」というモチベーションアップにもつながります。

初めての試験、失敗しても「次は挽回」

高校は同じくらいの学力の人たちが集まっているので、早い段階からテスト対策をしっかり始めていけば、学年の上位に入ることだって十分に可能です。

もし、高校入学後の最初の定期テストで失敗してしまったとしても、この時点の順位の違いは能力の差ではありません。努力の量や自分に合った勉強法を工夫できているかどうかの違いにすぎません。

次のテストでは必ず挽回するということを心に決め、今回のテスト勉強の進め方のどこに問題があったのかを振り返って、反省点を次に生かしましょう。

 

 

 

葉一(はいち)さん

教育YouTuber。東京学芸大学卒業後、塾講師などを経て独立。2012年にYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」の運営を開始し、小中高の主要教科の授業動画を無料で公開。チャンネル登録者数は139万人、動画累計再生回数は4億回を超える。

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