ある日突然、いじめが始まった。しかも相手は親友だと思っていた相手だった……。そんなつらい経験を乗り越えた高校生からの投稿を紹介します。
けんかで手を出したことがきっかけで…
私が中学1年生のときの出来事です。私にはS君という親友がいました。
小学5年からの友達で、ほぼ毎日2人だけでも遊ぶ仲でした。ある日、ささいな事がきっかけで同じ部活の友達とけんかをして、自分が手を出してしまいました。そして次の日から、なぜかS君が部活仲間に指示し、いじめが始まりました。
話しても無視、すれ違う時は肩をぶつけられ
話しかけても無視され、遊びには誘われず、すれ違うときには肩をぶつけられました。それでも、親にいじめられていることを知られたくなかったので、学校や部活にはいつも通り行きました。
けんかして、ずっと手を出してしまったことを後悔しながら、なぜこんなにも親友のS君を怒らせてしまったのか考えて過ごしていました。つらい生活が約1カ月続きました。
突然、いじめが終わった
いじめが終わりを迎えたのはS君が部活を休んだ日でした。
その日は、練習終わりに友達がご飯を食べに行く約束をしていたので、自分も行っていいかと聞いてみると、意外にもOKしてもらえました。その友達は「ただS君に従っているだけだったのでもうやめよう」と言ってくれました。私は安心しました。
その後、友達とS君とのLINEのやり取りで、S君が私の行動や発言が気に食わないと言ってイライラしていて、私の起こしたけんかが引き金となっていじめを計画したことを知りました。
親友にストレスを与えていたと知った
私は知らないうちに親友にストレスを与えていたことと、それにいじめられるまで気づかなかったことが、とてもショックでした。いじめはなくなり、S君以外の友達との関係は元通りになりました。しかし、S君を怒らせてしまった具体的な理由については分からないままです。
S君とは中学1年と2年で同じクラスでしたが、それ以降一度もまともに会話をしませんでした。部活の練習や試合での必要なやり取りはありましたが、個人的な会話はなく、常に気まずい感じでした。
和解したけれど元には戻れない
高校受験が終わって、部活の仲のいい友達同士でディズニーランドに行ったときにS君もいたんです。
じゃんけんで席を決めた結果、スプラッシュマウンテンでS君と隣の席になり、落ちる少し前に「ほんとにごめん。悪いことした」と言われて、「俺も悪かったから全然大丈夫だよ」と言って握手をしたんですが、それでもいじめがある前と同じ仲には戻れなかったです。
私はこのいじめで友達の大切さを学びました。当たり前に過ごしていた生活が、友達を失うだけで、とてもつらく寂しくつまらないものになってしまうのです。なので、今いる友達を大切にしようと思いました。
また、人の気持ちを考えて行動するようになりました。今思えば、あのいじめがなかったら、私はあまり人の気持ちをよく考えずに行動してしまう人間になっていたかもしれません。そう考えればいい経験をしたと思えます。みなさんも今いる友達を本当に大事にしてほしいです。(いのちまもる=3年)