「さぁ、いらっしゃい」

「さぁ、いらっしゃい」(第44回全国高等学校総合文化祭 2020こうち総文 写真部門出展)

鏡の中から誘うように手を差し伸べるミステリアスな少女の写真。この作品は、川﨑遥菜さん(岩手・盛岡商業高校3年)のが手がけたものです。文化部の全国大会の一つである全国高校総合文化祭2020こうち総文の写真部門に出展しました。どんな思いを込めて撮影したのか、聞きました。

ありきたりにしたくない

―川﨑さんの作品「さぁ、いらっしゃい」は不思議な雰囲気の写真ですね。テーマを教えてください。

鏡の中に誘い込む不思議でミステリアスな女の子をテーマにしました。

合わせ鏡は神秘的なイメージで、そこから女の子が誘っているように撮ったら面白いのではないかとテーマ設定しました。写真を見て下さる方々が立ち止まって、どうやって撮ったのだろうと考えてほしいという思いを込めました。

―こだわったり工夫したりしたポイントは?

撮影は公園で、7月上旬から9月上旬にかけて行いました。最初はモデルがただポーズをしているだけで、ありきたりな写真でした。

そこで顧問やコーチの先生方と相談して、モデルにダンスをさせて撮ると面白いのではないかと思い、納得できる不思議なイメージが撮れるまで何日もこだわって撮り直しをしました。

試行錯誤の中で「素晴らしい瞬間」に出会える

―難しかった点、苦労した点は?

モデルの髪の毛に表情と思いを表現することが難しかったです。

髪の毛を重点的に撮ると顔の表情が隠れてしまい、顔の表情をはっきりさせながら髪の毛に迫力を出すことが難しく、何百枚も撮り直しました。

―制作途中で印象に残っているエピソードを教えてください。

一つの工夫やアイデアで写真そのものの世界観が変わっていくことに気がついたことです。

最初はただのポーズ写真であり、写真の意図が伝わらないものでした。たくさんのアイデアを試し、モデルのダンスを撮ることで、写真に迫力と不思議な世界観を創り上げることができ、楽しさを感じました。

―よい作品を撮るためのコツを教えてください。

私は、写真の技術は未熟なため、シャッターチャンスを見極めることはできません。そのため、とにかくたくさん写真を撮りました。

撮ってはだめな部分を改善してまた取り直す、この繰り返しをしていくと、素晴らしい瞬間に出会えることがあります。