大学進学を考える高校生にとって、志望校選びは重要です。まだまだ先のこと…と考えて何も準備しないでいると、あとあとになって「決められなくて困った」「自分に合った大学が見つからない」と後悔することになるかも。志望校に合格した先輩たちは、どうやって志望校を選び、勉強を進めていったのでしょうか。駿台予備学校横浜校1号館教務マネージャーの長澤彩さんに聞きました。
合格する人はどんな観点で志望校を選んでいるのでしょうか。高2生になると、いよいよ本格的に進路を決定していく時期になりますが、具体的にどんなことを考えて行動すればよいかをお伝えします。
将来何がしたいかを考える
まずは、「将来何がしたいか」を考えてみましょう。ひとつに絞るのではなく広い範囲で考えてみてください。何をすれば良いのか見当がつかないという人は、情報収集に努めましょう。
保護者との相談や大学のホームページをチェックしてみたり、そのほかに新たなことに意欲的にチャレンジしてみたりして、興味や関心の幅を広げるのも良いでしょう。決して得意・不得意科目だけでやりたいことを決めないようにしてください。
受験科目・研究内容・欲しい資格が取れるか
将来やりたいことが決まってきたら、次に現役合格に向けてどういう勉強が必要になってくるかを考えましょう。この段階で、文系・理系、志望大学、学部学科などを決めることになります。
大学によって受験科目、研究内容や資格の取得は違ってきます。大学は高校とは異なり、各自が専攻する専門分野について深く研究したり幅広い教養を身に着けたりするところです。どの大学が自分に最適かを考えて、受験大学を決定していきましょう。
大学の情報を調べる際には、いくつか見ておくべきポイントがあります。前述の受験教科・科目のほかに、全体的な教育方針や内容、教授・講師陣、建学の精神や校風のほか、施設・環境・所在地も学生生活の質に関わってきます。就職状況・就職指導の実態や、学費がどれだけかかるかも調べておきましょう。
受験科目に的を絞った学習スタート
志望校が決定したら、受験科目により的を絞った学習を始めましょう。
1、高2のうちに基礎がため
高3になるまでに、それまで学習した科目・分野について「基礎事項を完全に習得しておくこと」がポイントです。受験勉強は高2までに基礎学力があってこそスムーズにすすみます。
特に英語・数学・国語は基礎を早めに確立し、高3時には応用力養成の段階に入るのがベストです。具体的に進路が決まってきた時期から理科、地歴・公民の勉強を本格的に始めていきます。
2、「当たり前」を継続して
成績を伸ばすために特別な勉強法はありません。普段の学校の授業において、予習⇒授業⇒復習を確実に行っていくことが最も効果的、かつ最良の方法です。当たり前のことを継続して行うことが合格・不合格の分かれ道と言っても過言ではありません。
復習に重点をおくことで未定着部分をなくしていこうという人もいます。ですが、予習段階で教科書の「わからなかったところ」を確認して、それを理解しようという目的意識を持って授業に集中し、復習でその分野の基礎事項が身に付いたかをしっかりチェック。まだ不明点が残っている場合は先生に質問して学力を定着させていこうとする姿勢が、学力アップの秘訣です。
3、今の学習が入試につながることを意識
定期テストで常に高得点を取る人が、大学入試にも対応する実力をもっているとは限りません。大学入試の試験範囲はあってないようなもの。常にそのことを意識した学習を心がけましょう。
高1・2で学習したことが今後の模試、そして本番入試の試験範囲であることを意識した勉強が必要です。
4、短時間でも毎日コンスタントに学習を
部活動や学校行事で忙しい毎日かと思います。ですが、大学入試を突破するためには「毎日△時から△時までは必ず英語の復習」というように、短時間でも毎日必ずコンスタントに学習する習慣を身につけておくと、受験学年になっていざ学習ペースを上げようというとき、比較的スムーズに取りかかれます。
「時間に限りがある」現役生は、ちょっとした空き時間も有効に使って効率良い学習を!
長澤彩さん
ながさわ・あや 駿台予備学校横浜校1号館教務マネージャー