ランの練習に取り組む久保埜南

スイム(水泳)、バイク(自転車ロードレース)、ラン(長距離走)の合計タイムを競うトライアスロン。久保埜南(山梨・山梨学院大付2年)=北海道・千歳中出身=は、東京五輪での金メダルを目指し、3種目の練習をこなす毎日を送っている。 (文・写真 斉藤健仁)

中学時代は陸上選手

4月に沖縄であった「2014美ら島チャレンジトライアスロンin豊崎大会」で優勝し、6月のユース五輪アジア大陸別代表選手選考会(カザフスタン)では銀メダルを獲得した。「3つの種目ができるのが、楽しいところです!」と競技の魅力を語る。
 父と兄2人がトライアスロン選手だった影響で、小学3年から本格的に競技を始めた。「何でこんな大変な練習をやっているんだろう」と思う時もあった。中学では陸上の1500メートルで北海道3位となり、陸上競技の道に進むかどうかも悩んだ。
 ロンドン五輪前。北海道であった日本代表の合宿に1日だけ参加する機会があった。そこで、トライアスロンに専念することを決意する。「『五輪は、すごく輝いている大会』と代表選手たちから聞いてワクワクした。自分も出たいと思った」

勉強もおろそかにしない

高校入学と同時に、生まれ育った北海道を離れ、山梨県に移った。現在は後輩2人と寮で暮らしながら、チームケンズ山梨でプロ選手と共に汗を流す。
 3種目を練習しなければならないので、1日のスケジュールは大忙しだ。登校前に約1時間プールで泳ぎ、放課後は2時間ほどバイクとランの練習に励む。テスト期間中も練習を休むことはない。「遠征や大会などもあって、学校の勉強についていくのが大変です。授業を休んだ時は、友だちにノートを見せてもらっています」
 2016年のリオデジャネイロ五輪は「できれば出場したい」。本気で狙うのは東京五輪の「金メダル」、世界の頂点だ。

◆トライアスロンとは スイム(水泳)1・5キロ、バイク(自転車ロードレース)40キロ、ラン(長距離走)10キロの3種目合計51・5キロでタイムを争う。五輪競技としては2000年のシドニー大会から正式採用。18歳以下のジュニア世代は、25・75キロで競技が行われる。五輪での日本人女子の最高成績は5位。

♥くぼの・みなみ 1997年8月19日、北海道生まれ。今年8月に中国で開かれるユース五輪の日本代表。好きな教科は英語。162センチ、50キロ。