悩み

行きたい学部が決まりません。大学のホームページを見ても、学部の中に学科がたくさんありすぎて、よく理解できません。(高校2年女子)

回答

あなたが混乱するのも、もっともです。現在の大学には学部が約470種類、学科は約2,100種類もあるのです。この中から自分が学びたい分野を見つけ出さなければならないわけです。しかも最新のキーワードで構成されており、意味の分からない言葉が頻繁に出てきます。

学部の名称は、学問分野を表現しています。学科の名称は、学部の内容をより明確に表現するために、専門性を強調した名称となっています。例えば工学部の場合は、機械工学科、電気工学科、建築学科、土木工学科などに分かれており、学ぶ内容が明示されています。工学部の基本は数学、物理、化学で、これは、どの学科でも基本として学びます。加えて学科特有の専門科目を学びます。

学部の名称が多様化したのは、1991年度に大学設置基準が大幅に緩和され、各大学が流行のキーワードを使った学部名称を大量に誕生させた結果です。それまで主流だった学部名称は、文・外国語・教育・教養・法・経済・経営・商・家政・栄養・医・歯・薬・看護・農・工・理工・芸術・体育学部などで、1、2文字で表現したものが大半です。

これに対し最近は、4~6文字の学部名称が流行しています。人間生活の、ある分野に特化した技術を教えるか、総合○○学部のように関連分野を広く浅く教える傾向が強く表現されています。

あなたが将来やりたい仕事に最も近いキーワードの学部を選択し、授業内容をホームページで確かめると良いでしょう。

のざわ・かずのり 1943年、東京生まれ。武蔵工業大学(現・東京都市大学)で入試広報を担当し、事務長として新学部開設に携わる。2009年退職後は、大学選びについて高校生・保護者への講演・執筆などを行っている。