熊本北高校(熊本)の吹奏楽部は、熊本民謡のアレンジ曲を代々演奏している。第40回全国高校総合文化祭広島大会(ひろしま総文)の吹奏楽部門(8月、広島市)では「元気な姿を見せたい」という思いで2曲を披露した。(野村麻里子)
「がんばるけん!」支援に感謝込め
「熊本地震の際にはたくさんの方に支援をしていただいた。熊本県の代表として感謝を伝えたいという気持ちをこめて演奏した」と話すのは、部長でクラリネット担当の梶原里菜さん(3年)。
2曲目に披露した「おてもやん」は、熊本に伝わる民謡をラップ調にアレンジしたもの。全員が立って楽器を大きく振り上げたり、ステップを踏んだりするなどのステージパフォーマンスに会場からは自然に手拍子が起こった。「振り付けなど先輩から受け継いできた私たちの十八番。元気な熊本を見せたくて選曲した」と話す。
曲の最後には「がんばるけん!くまもと」のメッセージカードを掲げた。梶原さんは「熊本の方言と、『県』がかかっている」のだと、はにかみながら教えてくれた。
おてもやん 先輩から受け継ぎ8代目
歌詞に出てくる主人公の女性「おてもやん」に扮して、熊本の方言での歌詞をラップで歌い上げたのは、サックス担当の松原由希美さん(3年)。「8代目おてもやんとして、前担当していた先輩から指名された。衣装も受け継がれているもので、赤いほっぺは色紙で作って両面テープで貼っている」
部活動は毎日あり、おてもやんのように振り付けがある曲は、部活動が終わってから楽器を持たずに各パートで練習している。梶原さんは「元気が良すぎるくらいなメンバー。モットーは人に感動を与える演奏をすること」と話した。