世界の高校生は、どんな生活を送っているのでしょうか? 今回紹介する台湾人高校生の陳さん(1年女子)は台北で暮らしています。高校生記者のマリオンさんがインタビューをしました。
夜9時まで学校で勉強することも
―一日の流れを教えてください。
朝6時に起きています。6時半に家を出て、スクールバスで通学しています。
学校は7時半からスタート。授業は午前中に4時限目まで、午後は5~8時限目まであります。1時限は50分間で、間の休憩は10分。昼休みは1時間20分あります。午後5時40分に授業がいったん終わります。
―授業がたくさんありますね……!
これで終わりじゃないんです。その後、週に数回「夜自習」があり、夜9時まで学校に残らなければなりません。自習といっても、小テストが行われることが多いです。
―学校帰りは何をしてるんですか?
放課後は、ピアノや絵、ドイツ語、フルートなどの習い事に行っています。帰宅後は宿題をしてから、スマホゲームをしたり、アニメを見たりします。夜11時くらいに寝ます。
部活は授業時間に月1、2回
―特徴的な学校行事はありますか?
私たちの学校では、年数回のアウトドア授業や、クラス対抗の英語合唱大会・英語劇大会があります。
英語劇大会は、台本から衣装まで全てが審査対象なので、布を買って衣装を縫うなどかなり本格的です。
―日本で言うところの「部活」はありますか?
クラブ活動は、放課後に行うのではなく授業時間にあります。私は模擬国連クラブに参加しています。
英語や日本語、スポーツ系、ダンス系など、クラブは30くらいあります。頻度は月に1、2回だけです。課外活動では、弁論クラブに参加しています。
ランチにウーバーイーツ使える高校も
―お昼ご飯はお弁当ですか?
給食があります。2カ月ごとに必要な分を注文します。1食約100元(約370円=2020年10月現在)です。朝食や午後のおやつ、夜も残る生徒は夕食も注文できます。
少数ですが、お弁当を持参する生徒もいます。台湾では、お弁当は「温かいものを食べる」という習慣があるので、どの学校にもお弁当を温める巨大蒸し器のある部屋があり、預けたお弁当箱(ステンレス製)をお昼に取りに行きます。
蒸し器部屋は、いろいろなお弁当のにおいが混ざり、独特のにおいが充満していますが、昔からの台湾文化です。
私たちの学校では、外にお弁当を買いに出たりなどできませんが、宅配弁当や配達サービス(ウーバーイーツなど)を利用していい学校もあるようです。
―将来の夢は何ですか?
化学者、エンジニア、または会計関係の仕事に就きたいです。
アメリカの大学・大学院に進学希望ですが、最近のアジア人を含む人種差別や治安が心配です。今の悩みは、理系科目の中で何をメジャーとして選べばいいか迷っていることです。
ラブライブ、七つの大罪…日本のアニメ大好き
―友達とはどこに行き、何をして遊んでいますか?
日本のアニメ映画を、アニメ好きな同級生たちと見に行きます。
―日本のアニメが好きなんですね。
好きなアニメは、「鬼滅の刃」「七つの大罪」「ラブライブ」です!
台湾には日本ファンが多いです。親切、おいしい食事、清潔などのイメージがあります。
―好きな芸能人は誰ですか?
王一博さん(男性アイドルグループUNIQのメンバー)、山田涼介さん、佐藤寛太さんです。
―好きなお菓子を教えてください。
プリン、マシュマロ、アイス、ポテトチップスなどが好きです。日本のお菓子だと、北海道の銘菓「白い恋人」が台湾で大人気ですよ。
―スマホでよく使うアプリは?
よく使っているアプリはGoogleChrome、YouTube、Webtoon(韓国発のデジタルコミック)です。
―友達との連絡手段は?
連絡手段で使っているアプリはLINE、インスタグラムです。
―最近怒ったエピソードを教えてください。
自分のテストの点数に満足できませんでした。
―最近うれしかったエピソードを教えてください。
ずっと行きたかった脱出ゲームに行けたことです。
【取材後記】優等生な彼女のかわいらしい部分を知れた
陳さんは、理数科目がとても得意な優等生。でもガリ勉というわけではありません。日本のアニメやゲームが大好き。時々「俺様が!」などと言ったりします。最近まで、自動販売機の値段の上に並んでいるドリンクが本物だと思っていたなど、かわいらしい面もありました。
台湾は日本と同様、またはそれ以上の学歴社会で、教育熱心な家庭がとても多いです。陳さんの生活からもそれがうかがえました。
【コロナ禍の現在】通常通りの生活、でも検温・マスクは必須
あわせて、陳さんに台湾の今の状況を教えてもらいました。
世界中がコロナの影響を大きく受ける中、素早い対応でコロナの侵入と感染拡大を抑え込んだ台湾。
学校については、2月初め(旧正月の休み中)の時点で新学期を2週間遅らせる対応をとりました。マスクも、2週間ごとに購入できる制度が2月初旬に始まり、デジタル担当大臣オードリー・タン氏のチームによるアプリ開発などがスピーディーに実施されました。
その結果、感染者も死者も少なく留められています。学校もオンライン授業にはならず、検温やマスクは必須ですが、生徒たちはほぼ通常どおり登校しています。(高校生記者・マリオン=1年)