高校生のちーちゃん(3年)は失神やけいれんを起こす「てんかん」を持病に抱えながら、高校生活を送っています。どんな症状の病気で、どのように対処しているか、そして患者への偏見をもたないでほしいという思いを語ってくれました。

意識失い、手足がけいれん

私の持病は「てんかん」です。100人に1人がなると言われています。

私が初めててんかんになったのは、15歳頃。意識を失い、手足がけいれんを起こしました。いつも救急車に運ばれるときに意識が戻ります。それから頭痛、食欲不振になるのです。大体1日休むと元気になります。

毎日服用している薬

現在まで3回発作を起こしました。うち2回は運動部の部活中でした。そして3回に共通するのは、テスト前だったことです。ストレスがたまっていたんだと思います。

友達の名前が思い出せない

部活中に発作が起きたときには、友達がすぐに顧問の先生に伝えて、救急車を呼んでくれました。私の意識がはっきりしてなさそうに感じた友達が「大丈夫? 私の名前わかる? 今何時かわかる?」といろいろ心配してくれました。

私は分かるはずの友達の名前を間違えたり、思い出せなかったりしました。そのときの私の記憶はありません。全て友達に後から聞いた話です。

朝晩に薬を飲んで発作押さえ

私は、脳神経内科の病院に今も通院しています。

最初に病院で脳波、CT、MRI検査をしました。その後は定期的に脳波の検査と採血をして、脳波に異常がないか、血液に薬の量が十分含まれているかを調べます。毎日、朝晩に薬を飲むことで発作を防いでいます。

病院に持って行く「自立支援医療受給者証」。すべての精神疾患を対象に、通院による継続的な治療が必要な人が申請・利用できる制度

私が病院に行って気づいたのは、私のような若年層は少ないことでした。特に学生は滅多に見ません。障害者の方や高齢の方が多いです。

原因が分からない場合が多い

てんかん発作は、正常な脳の電気活動が乱れてしまうことで起きます。子どもや高齢者が発症することが多いです。生まれつきのものから、脳炎や脳腫瘍など別の病気が原因になって起こるもの、交通事故などの大きなケガによるもの、脳卒中によって起こるもの、認知症など神経が老化することによって起こるものがあります。

しかし、原因が明らかにわかるてんかんは実は半分以下で、現代の医学ではまだ原因がはっきりとしないものが全体の約6割を占めています。

周りにてんかんを患っている方がいて、発作を起こしてしまった際は、落ち着いて対処してほしいなと思います。むやみに声をかけたりせず、落ち着かせることが大事です。なかなかけいれんが収まらなかったりしたときは、救急車を呼んでください。

てんかんの発作が起きていたら落ち着かせてあげて(写真はイメージ)

偏見を持たないでほしい

てんかんを患っていても、日常生活では不自由なく過ごせます。変に偏見を持たないでほしいです。周りで嫌な偏見を持たれた経験はありませんが、部活の途中に頭痛い、調子悪いと言うと、顧問の先生にてんかんの症状かと心配されていました。

てんかんについて周囲に伝えたときは、テストのときの部活は休めるように配慮してくれました。私は軽症なので、日常での配慮は特に必要ありません。学校での心配はありません。ですが、登下校中に発作が起きたらどうしようという不安は拭えない日々を送っています。(高校生記者・ちーちゃん=3年)