模擬試験は自分の実力がどのくらいあるのかを測る貴重な機会です。「学校の先生から言われたから」と漫然と受けていたらもったいない。合格する人は模試を上手に使っています。模試を有効活用するための基礎知識や合格する人の復習法を、駿台予備学校神戸校サブマネージャーの高橋洋樹さんに聞きました。

駿台が教える成績UP術5「合格する人の模試活用方法・偏差値と志望校判定の見方」

 

■模試の疑問1「どれくらいの頻度で受けたらよいの?」

可能な限り受験しよう

明確な答えはありませんが、特に今の高校生の皆さんは可能な限り受験してください。なぜならば、来年から入試が大きく変わるからです。

大学入学共通テストでも国語や英語で大幅な変更が予定されていますが、そのための過去問がありません。現状の対策法としては、予想問題=模試を受験する機会を大切にするのが一番の策となります。

「最新の出題傾向を知る」ことは、最近の受験対策としてはとても必要なスキルです。「結果が気になるので……」と後ろ向きになる方もいるかもしれませんが、模試を受けることで最新の受験対策ができると考えて、積極的に受けてほしいです。

模試で身につくスキルがある

また、模試を受けることで身につくスキルもあります。

代表的なものとして「時間配分」、つまり解答する問題の見極めるスキル(この問題は先に解答しよう、この問題は後回しにしよう)は、普段の学習だけでは身につくものではありません。

他にも、「入試本番の雰囲気に慣れる」「学力・集中力を養成する」「志望大学合格の可能性を客観的に知る」、先述の設問別成績状況を利用しながら「現状の弱点を発見する」といった意味が模試受験には含まれます。

■模試の疑問2「受験するとき心がけるとよいことは?」

問題全体に目を通す

模試が始まったらまずは問題全体に目を通してください。そして「この問題は以前、よく似た問題を解いたことがあるので先に解こう」「この問題は時間がかかりそうなので後回しにしよう」といった見極めを行うと、結果的に時間配分がうまくできるようになり、そして実戦力アップにつながります。

■模試の疑問3「模試の結果は何を見ればよいの? 合格する人は何をしてるの?」

合格する人は「設問別成績状況」を確認する

恐らく大半の方はご自身の得点、そして校内順位を確認した後は、志望校判定を見て一喜一憂しているのではないでしょうか。

合格する人は必ず「設問別成績状況」を確認・活用しています。よく「模試で弱点を見つけましょう」といったアドバイスを受けたことはありませんか? 弱点を客観的に見つけるのも、この設問別成績状況から確認することになります。

 

まずは、設問別成績状況の「全国の受験者平均得点」を確認してみましょう。その平均得点に対して、自分の得点が下回っている分野が現在の弱点です。この平均得点ラインが高ければ高いほど、全国の受験生の多くが正答している問題ですので注意が必要です。

志望校判定に関しては、中学や高校受験型の模試とは、また学年によっても少し捉え方も異なります。もちろん高3生に関してはこれから出願校決定の材料になりますが、あくまで「現時点での志望大学の平均ラインからどれくらいの位置にいるのか」を客観的に知る材料として捉えてください。

高1生の方は少なくともこの時期は、目標に対してどれくらい差があるのか、同じ大学・学部を目標とするライバルがどれくらいいるのかなどを確認しておくと良いでしょう。

■模試の疑問4「そもそも偏差値ってなに?」

集団での位置づけを把握しよう

偏差値とは、個人の成績がその模試を受けた集団の平均点と比較して、どの程度上回っているのか、下回っているのかを相対的に表した数値です。

また、同じ集団で受験していれば、難易度や平均点の異なるいくつかの模試を受けた場合でも、偏差値の推移を見ることで、その人のその集団の中での位置づけを把握することができます。

まずは自分の位置とあわせて得意・不得意科目も確認しておきましょう。

標準偏差とは、各模試集団の得点が平均点を中心にどのように分布しているかを示す数値で、「偏差値を10アップさせるのに必要な得点」を意味しています。次の模試に向けての目標を決める際に活用してください。

ちなみに、数学や物理などの比較的得点の差が大きい科目の場合には、標準偏差が大きくなることがよく見られます。また、国語や地歴などの比較的平均点周辺に受験生の得点が集中する科目では、標準偏差が小さくなることがよく見られます。

■模試の疑問5「復習って何をすればよいの?」

すぐに、成績表が届いたときに、忘れたころに

大半の方は、模試受験後にすぐに答え合わせを兼ねて1回目の復習、そして個人成績表が届いたころに2回目の復習を行っていると思います。

ただ合格する人は2回目に復習したことを忘れたころに3回目の復習を行っています。その際は先述の設問別成績状況を参考に、自分のできなかった問題や、全国平均点の高い問題を休日に行えるよう計画をたててください。

模試で扱われる問題は、他の模試や受験でも頻出の問題です。そして模試は自分だけの最高の問題集・参考書になります。もし自分の勉強に迷いがでてきたときは、とにかく模試の復習を生徒さんにお薦めしています。

模試はその時の自分の力を最大限振り絞って考えたこともあり、結構記憶に残っていたりもするものです。次の模試や受験時には、「あの時復習しておいて良かった」と思えると良いですね。

 

高橋洋樹さん

 たかはし・ひろき 駿台予備学校神戸校 サブマネージャー。

 

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