7月25日(土)・26日(日)、千葉工業大学が参加している「やまぐち空中発射プロジェクト」は、小型ロケットを使った空中発射システムの実証試験を実施した。

山口県内の中小企業らと実証試験

「やまぐち空中発射プロジェクト」は、山口県内の中小企業等が参画し2018年度からスタート。空中で小型ロケットを発射させるために必要な姿勢制御装置の開発を中心に、事業を進めてきた。千葉工業大学は、機械電子創成工学科・惑星探査研究センターの和田准教授らが担当し、空中発射における全体システムの検討を行っている。

 

 本プロジェクトが開発した姿勢制御装置は、ジャイロ効果を活用した高い応答性能を持ち、遠隔でも 瞬時に発射方向を決めることができる。無線点火装置と組み合わせることで、離れた場所からでも任意のタイミングで発射することが可能だ。千葉工業大学によると、 今回の試験を通じて、設計通りの機能を有していることが確認できたという。 また、空中発射装置に設置した加速度計から、一連の挙動に関するデータを取得することができた。

 

上の動画は発射システムを真横から撮影したもの。点火したロケットが装置本体を前方に押し出し、射出前後に重心位置の変化から上下方向の首振りのような挙動を示しており、一方で方位角方向(水平方向)への影響は小さいことが確認された。気球を用いた空中からの打上げではロケットの初期姿勢角を安定させることが大きな課題。発射方式の候補の一つとして検討されている「レール式発射装置」において、ロケットがレールと気球に与える影響は不明だった。今回確認された挙動とその定量的なデータは、世界で初めてのもの。今後の本格的な発射システムを開発する上で貴重なデータとなる。同大学は今後、得られたデータを基に課題を抽出し、改良・改善に取り組んでいく予定だ。

今回の試験は無事成功に終わり、確認された装置の挙動やデータは、今後の本格的な発射システム開発に生かされていく。

 

詳細は大学の公式HPでチェック!

(提供:千葉工業大学)