文化祭や体育祭、学校行事は高校時代の思い出を飾る大事な機会ですよね。高校生のアリスさんは、男子のみが行う前夜祭の存在に違和感を覚えていると言います。どんな行事なのか、教えてもらいました。

男子だけがやる前夜祭、おかしくない?

私が通っている高校の学園祭には前夜祭があるのですが、この行事がなぜ続いているのかわかりません。

夏休みから練習や準備が始まり、新学期が始まってすぐに開催されます。学園祭には文化祭、体育祭などがあります。その中でも前夜祭は、初日の夜に学校のグラウンドで行われ、男子生徒が大きなたき火を囲んで合唱するという行事です。

準備期間中は文化祭の準備などいろいろやることがありますが、男子は前夜祭の練習のために他の準備に関わることはほとんどありません。

なので、買い出しや小道具の製作などは主に女子だけでしています。

クラス企画の準備は女子だけが行う(写真はイメージ)

準備は女子だけ、男子はへとへと…溝を感じてしまう

私が前夜祭について一番不満に思っている点は、この男子と女子で分けられてしまうというところです。

クラス展示の準備を女子だけですると、人手が足りないというのはもちろん、力仕事や高い所の飾りつけなど男子の方が得意な作業を全て女子がやるしかないため効率が悪いというデメリットがあります。

さらに、せっかくの共同作業の機会が失われるためクラス全体の仲を深めることができません。それどころか、はっきりと分けられてしまうことで男女間の溝を感じてしまいます。

また、男子の前夜祭の準備は真夏の昼間に屋外で行われるうえに、歌の途中で陣形を組んで走り回ったり応援団のような振り付けが加わったりするため、準備期間中の男子生徒たちはかなり疲れています。

私たち女子生徒は校舎内から練習風景を見ることしかできませんが、汗にまみれてへとへとの状態で帰ってくる男子を見るとなんだか申し訳ないような気持ちを感じます。励ましの言葉をかけようと思っても、練習のきつさがわかるわけでもないので何も言えず、気まずくなることもあります。

伝統行事だというけれど

こうしたことから男子にも女子にも前夜祭について不満を持つ人は多くいます。しかし前夜祭は学校創立当時から続いている歴史をもつため、伝統を途切れさせたくないという思いもあります。

また、男子の友達の中には「終わってみたらとても感動して楽しかった」と言う人もいて、つらさだけでなくそれを乗り越えたあとにしか味わえない感動もあるようです。いろいろな思いがある中でこれからの前夜祭がどうあるべきなのか、一度じっくり考えてみたいと思います。(アリス・2年)