全国高校放送コンテスト各部門で優勝した生徒たち(7月28日、NHKホール)

放送部などで活動する高校生がアナウンスや作品制作などで競う第63回NHK杯全国高校放送コンテスト(全国放送教育研究会連盟、NHK主催)の全国大会が7月26日から28日までNHKホール(東京)などで行われ、6部門の優勝者・優勝作品が決まった。コンテストは6つの部門で実施。5月から6月にかけて行われた都道府県大会には1664校1万7563人が参加。勝ち抜いた541校の生徒が全国大会に進んだ。

朗読は唯一の男子が優勝

「アナウンス部門」で優勝したのは杉本菜瑠さん(兵庫県立小野高校3年)。地理オリンピックの日本大会で金メダルを取った生徒についての自作原稿を読み上げた。

「朗読部門」では鈴木崚汰君(千葉県立検見川高校3年)が優勝。決勝に勝ち残った10人のうち唯一の男子で、「流れ星が消えないうちに」(橋本紡箸)の亡くなった友人の魂に決意を語り掛ける一節を読み上げた。

「ひとり応援団」の先生を伝える

「ラジオドキュメント部門」で優勝したのは、静岡・浜松市立高校の作品「エール!」。部活動に限らずあらゆる人を応援する「ひとり応援団」として活動する若手男性教員の取り組みを伝えた。

「創作ラジオドラマ部門」の優勝は、福島県立安積黎明高校の「授業実況」。授業中に「内職」をする生徒や寝てしまう生徒と、怒りを抑えながら指導する教員の攻防を生徒2人が実況・解説するという斬新な内容だ。

課題を写すのは悪い? 問題提起

「テレビドキュメント部門」は、「私(は)課題(を)写す」を制作した愛知高校が優勝。数学で17点を取った生徒が東京大学の数学の過去問を100回写した後、その類題に正解するエピソードを紹介するなど、「課題を写す」ことは本当に悪いことなのかを問う作品。

「創作テレビドラマ部門」は、兵庫県立伊丹北高校の「大谷花菜は喋らない」。何でも率直に言ってしまう性格の主人公が、「親友の好きな先輩に彼女がいること」を親友に伝えられず葛藤(かっとう)する内容だ。

各部門の結果は次の通り(「優秀」以上を掲載、敬称略)

 

【アナウンス部門】

  • 優勝 杉本菜瑠(兵庫県立小野高校3年)
  • 準優勝 照井渚彩(岩手県立盛岡第一高校3年)
  • 優秀 河野里都菜(大分県立大分上野丘高校3年)、成松海悠(熊本県立第一高校2年)

 

【朗読部門】

  • 優勝 鈴木崚汰(千葉県立検見川高校3年)
  • 準優勝 今西琴音(神奈川県立新羽高校3年)
  • 優秀 蔭山明日香(栃木県立宇都宮女子高校3年)、坂田美穂(長崎県立島原高校3年)

 

【ラジオドキュメント部門】

  • 優勝 静岡・浜松市立高校「エール!」
  • 準優勝 広島県立五日市高校「ピアノが伝えてくれること」
  • 優秀 愛知・名古屋市立北高校「こころできく~柿崎先生の挑戦~」、三重・桜丘高校「ママ」

 

【テレビドキュメント部門】

  • 優勝 愛知・愛知高校「私(は)課題(を)写す」
  • 準優勝 青森県立青森工業高校「不器用な料理人」
  • 優秀 静岡・静岡大成高校「89年の時が語る僕らへの言づて」、兵庫県立夢野台高校「獅子の村に生まれて」

 

【創作ラジオドラマ部門】

  • 優勝 福島県立安積黎明高校「授業実況」
  • 準優勝 鹿児島県立川内高校「告白面接」
  • 優秀 兵庫県立東播磨高校「ゲス男にはなりたくない」

 

【創作テレビドラマ部門】

  • 優勝 兵庫県立伊丹北高校「大谷花菜は喋らない」
  • 準優勝 栃木・佐野日本大学中等教育学校「Sapuri」
  • 優秀 長野・松商学園高校「灯火」