中高一貫校に通うぱずるさんは、部活の顧問の先生に恋をしています。その思いを打ち明けてもらいました。
先生は絵に描いたような理想の人
好きな人がいる。同い年の男子ではなく、先輩、後輩でもなく、学校の先生だ。
気づいたときにはもう、決して決してかなわない恋に落ちていた。
高校1年生の4月、授業が終わるとすぐ部活着に着替えて体育館に向かった。見慣れたメンバー、いつも通りの光景。だけど、春の風は突然の出会いを運んできた。
「今日から部の顧問になります」
出会ってしまった、絵に描いたような理想の人に。心臓が跳ね上がって、思わず思考停止した。これが私の、楽しく苦しい恋の始まりだった。
大人への憧れではない、これは恋
元々、先生と生徒の恋なんてあり得ないと思っていたからか、すぐにこの感情が恋だと認めることができなかった。
目が合っただけでドキドキしたり、彼女がいないと知って密かにうれしくなったり、先生が部活に来ないだけで落胆したり…。一喜一憂する感情を止めることはできなかった。「大人」に憧れているだけだと自分に言い聞かせたけど、それは紛れもなく恋だった。
恋だと気づいてから、それまで楽しくてバラ色だった世界が少し苦しく感じられた。相手は先生。立場や年齢の壁を考えると、かなうはずがないのは誰が見ても一目瞭然だ。それでも想いは止められなかった。
今日はたくさん話せた、今日は相談しに行けた、それだけで幸せだった。次第に、苦しさより幸せの方が勝るようになった。かなわない恋でも、先生といられる瞬間を大切に過ごすことはできる。ポジティブにこの恋を楽しむしかない。
好きな気持ちにふたをする必要はない
きっと今もどこかに、私と同じ悩みを抱えている人がいるだろう。先生に恋をするのは、同年代の子に恋をするのと違って進展も望めないし、引かれるのが怖くて友達にも家族にも相談できない。ハードルが高すぎる。
それでも、好きだという気持ちにふたをする必要はない。かわいくなろうとか、勉強や部活を頑張ろうと思える活力になるから。卒業するときに手紙で想いを伝えるのもありだろう。きっと私はそうする。恋する気持ちは自由だから。(ぱずる=2年)