つらいときに読むと励まされるおすすめの小説を、高校生記者に紹介してもらいました。(価格は税抜)

受験勉強でやる気が出ない時に

夢をかなえるゾウ水野敬也著(飛鳥新社、648円=1巻) 

数年前にベストセラーとなった、かなり有名な本です。

ガネーシャというゾウの姿をした関西弁の神様が主人公に課題を与え、主人公が課題をこなしながら成長する姿を見届けるお話です。私はいつもガネーシャの言葉に励まされています。受験勉強でやる気が起きなかったり、新しいことに挑戦して上手くいかなかったりしたときに読み返します。

夢をかなえるために努力すること、その本質を、ガネーシャは過去の偉人たちのエピソードを通して主人公に説いています。読むとハッとさせられて、私も頑張らなくちゃと思えます。

新型コロナウイルスによる休校で自由な時間が取りやすい今。新しいことにチャレンジしたい人にぜひ、読んでほしいです。(まい=3年)

『夢をかなえるゾウ』水野敬也著(飛鳥新社、648円=1巻)

人間関係にモヤモヤした時に読むとほっとする

和菓子のアン坂木司著(光文社文庫、667円)

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めたぽっちゃりめな主人公「アンちゃん」は、取りえがなく冴えない自分に悩んでいたが、個性的で優しい同僚とお客さんに囲まれて、和菓子の奥深い魅力に次第に目覚めていき…? という展開でとても読みやすいミステリー小説です。人間関係にモヤモヤしたり自分に自信を失ったりしたとき、イライラしているとき、この本を読めば和菓子を食べたようにほっとした気持ちになれると思います。(ちえ=3年)

『和菓子のアン』坂木司著(光文社文庫、667円)

互いを思いやる温かさ、切なさを描く

博士の愛した数式小川洋子著(新潮文庫、590円)

この本には、家政婦である主人公とその10歳の息子、そして彼女の雇い主である初老の数学者、通称「博士」が登場します。博士は交通事故により、現在の記憶を80分しか保てません。そのため、毎日主人公と「初めて」出会い、放課後遊びに来る彼女の息子にルート(√)とあだ名を付けて、数学と野球について語り合います。

いつも互いを思いやる温かさがありながらも、時に切なくなるような場面もあります。この本を読めば友人や親との関係がぎくしゃくしていても気持ちが落ち着きます。

数学との相性が悪いと思っている人でも、数字の魅力に取りつかれ、楽しめるようになると思います。(りんご=3年)

『博士の愛した数式』小川洋子著(新潮文庫、590円)

つらくてもそばにいてくれる人が必ずいる

Burn.‐バーン加藤シゲアキ著(角川文庫、560円)

感情を失った子役の男の子が、ホームレスなど彼を取り巻く人たちにより、少しずつ立ち直っていく様子を描いた小説です。

決して似た境遇ではない主人公と私ですが、読んでいるうちにすんなりと物語の中に入り込むことができ、自分の状況を改めて考えさせられました。そして、どんなにつらくても必ずそばにいてくれる人がいる、そんなことを感じさせてくれる物語でした。

つらい、大変だと思うことが多いこのご時世ですが、お家時間を利用して読んでみてはいかがですか? ぜひ読んでみてください!(しょうべり=3年)

『Burn.‐バーン‐』加藤シゲアキ著(角川文庫、560円)

どんな私でも私 前向きになれる

カラフル森絵都著(文春文庫、620円)

前世で大きなあやまちを犯した魂「ぼく」が、自殺した男の子の体を借りて再挑戦していくストーリー。魂の再挑戦と聞くと夢物語のように遠い感じがしますが、この小説には主人公を身近に感じる魅力があります。

私は時々、今の自分に対して不安になります。進路や友人、勉強、これからのこと。どんなに考えてもやっぱりどうしようもない自分だけれど、『カラフル』に出会ってから、どんな私も私なんだと、少しずつ前向きに考えることができるようになりました。

明日に不安を抱えている人が多い今だからこそ、読んでもらいたい作品です。『カラフル』―この題名が、きっとどこかであなたの支えになると思います。(もあてぃー=3年)

写真・もあてぃー【手塚・送ってもらった写真は少し汚れているので、出版社から送ってもらいます】

『カラフル』森絵都著(文春文庫、620円)

猫と飼い主の絆にほっこり

旅猫リポート有川浩著(講談社文庫、640円)

幸せや生き方について考えさせられる小説です。

野良猫だったナナは、飼い主の宮脇悟と幸せに暮らしています。しかし、ある理由から次の飼い主を探さなくてはならなくなってしまい、2人で旅に出ます。

幼なじみや同級生など、次の飼い主の候補者を訪れる中で、ナナは人々に幸せを与えていきます。悟とナナの強い絆や、悟と候補者の心温まる思い出話にほっこりする1冊です。

悟はなぜ大好きなナナを手放すことにしたのか、その訳とは? ぜひ読んでみてください。(あいこりあん=2年)

『旅猫リポート』有川浩著(講談社文庫、640円)