おばあちゃんと仲が良く、おばあちゃん子だという高校生も多いのではないでしょうか。でも、おばあちゃん自身のことって意外と知らないのかもしれません。おばあちゃん(78歳、千葉県出身)にインタビューをして、高校時代について話を聞きました。(高校生記者・魚住明日香)

研究発表の県大会で1位を獲得

――部活には入っていたの?

創作家庭部という部活に入っていたよ。

この部活では、FFJ(日本学校農業クラブ)大会というグループで研究発表をする大会に参加するために、一年間かけて準備をしてた。

この大会は今でも続いていて、去年に70回目が行われたんだよ。

――どんなことをしていたの?

私たちは5人のグループを作って、研究発表をしたの。市販で売っているビニール作業着より安い材料費で作れる作業着を研究してた。

高校3年生でこの研究をして、学校選抜、南部大会、千葉県大会と1位を取り続けたの。それで関東大会に出場して、そこで3位になったのよ。

精神的に辛く……友達に救われた高校時代

――友達関係はどうだった?

実を言うと、高校時代に私は友達にとても救われた。

ちょうど高校に入った頃は体調が悪い上に、精神的にも辛い時期だったの。身近な人が続けて亡くなったから。

私は男兄弟しかいなかったから、妹が生まれたときは本当に嬉しくて。とても可愛がっていて、どこへ行くにもその子をおんぶして行くほどだった。でも、その妹が3歳くらいで病死してしまったの。

――そんなことがあったんだ……。

その妹の死からどうしても立ち直れなかった。そんな私を心配して、私のおばあちゃんが一生懸命に私をサポートしてくれていたの。

でもね、そのおばあちゃんも、高校の入学式の日に亡くなってしまったの。

高校時代の祖母

高校時代の友達は60年間ずっと仲良し

――それは辛いよね。どうやって乗り越えたの?

仲良くなった友達たちが、体調が悪く鬱っぽくなっている私を心配してくれたの。委員会について教えてくれたり、部活に誘ってくれたりした。

結局、そのときに部活誘ってくれた友達たちと一緒に創作家庭部に入ったの。大会で研究発表をしているうちに、だんだん私も精神的に少しずつ立ち直っていくことができたの。

――そうだったんだ! 友達が支えになったんだね。

このときの友達でとても仲が良かった一人は、2年前に亡くなってしまったんだけど、60年間も仲良くしていたのよ。

他にも、同じ部活だった友達とは今までや、亡くなるまで仲良くし続けているの。

友達との思い出を話す祖母

魅力的に思ってもらえるように自分磨きをしよう

――いまの高校生に伝えたいことはある?

姉妹や兄弟の様に何でも相談できる、そんな友達を作ってほしいな。

そういう友達と一緒にいることは自分を成長させてくれるし、人生を豊かにしてくれると思うの。

ただ、そのような友達はすぐにできるわけではないし、別に高校生のうち作らなきゃいけないわけではないと思う。

――あまり焦らなくても大丈夫ってこと?

そう。高校の頃からずっと仲良い友達もいるし、大人になってからとても仲良くなった友達もいる。逆にやっぱり合わないなと思って、疎遠になっていった友達もいるから。

一生お互いに付き合っていきたいと思えるような友達が作れたらいいよね。

そのためには、自分が魅力的だと思ってもらえるように、自分を日々磨いていくことが大切だと思うよ。

改めて尊敬した大好きな祖母

取材後記・今も昔も、女子高生は同じなのかもしれない

私は今回の祖母へのインタビューを通じて今の高校生活と比べてそこまで変わらないのだということに驚きました。

祖母が高校生だった頃、1950年代というと、全く想像がつかなかったです。話を聞いたり写真を見たりして、見た目や服装は今と違うけれども本質的にはいつの時代も高校生は同じなのだろうなと感じました。

祖母が高校生のときに研究発表をして関東大会に出場したという話は初めて聞いたので驚きました。

私は勉強もそこまで頑張っていないし研究発表などの活動をしているわけではありません。自分も祖母のように、高校生活をもっと有効に使いたかったと後悔を感じました。

また、自分と同じ高校生でそのように努力していた祖母は本当にすごいと思いました。 私は昔からおばあちゃん子で、祖母に本当に可愛がってもらってきました。

でも、祖母が今までにどのように生きてきたかを全く知らなかったと再認識しました。高校時代以外の話もいろいろ聞きたいと思いました!