渡辺陽君(岡山・金光学園高校3年)は、岡山県の島に伝わる「白石踊」を広めるべく、日々奮闘している。

白石踊に魅了された渡辺君

家族旅行がきっかけ

活動のきっかけは、家族と岡山県の笠岡諸島にある白石島を訪れたことだ。お盆の行事に参加し、島民と一緒に白石踊を踊った。

白石踊とは、国指定の重要無形民俗文化財で、源平合戦での戦死者を慰霊するために伝わったとされている盆踊りだ。

ボランティア・スピリット・アワードで文部科学大臣賞に輝いた

一つの輪の中で、色々な種類の踊りが踊られている特徴を持つ。「外から来た人を迎え入れ、輪の中に入れてあげる包容力が魅力だと思うんです」

人口が減っている影響で、島民から白石踊の後継者が少なくなっていることを聞き、白石踊を広めることを決意した。

島民の優しさが支えになった

活動を始めてから約半年間は、1人だけで活動していた。「自分だけでできるのかが、心配でした」

そんな不安を払拭できたのは、島民の人々の存在だったという。「優しく接してくれたため、大変な時期も乗り越えることができました」

「白石踊800年の伝統を受け継ぐ会」を結成し、踊りをレクチャーする講習会などへ参加して、白石踊を広く知ってもらう活動を模索してきた。

大阪万博で踊りたい

昨年12月に行われた、ボランティア活動を表彰する「第23回ボランティア・スピリット・アワード」では文部科学大臣賞を受賞した。

「まず、とても嬉しいです。活動してきた成果が認められて、活動してきて良かったと思います。もっと多くの人に白石踊を知ってほしいです」と笑顔で語った。

今後の目標は、2025年の大阪万博で白石踊を踊る事だという。(高校生記者 川本采季・3年、写真は事務局提供)