松蔭高校(愛知)和太鼓部は、第48回全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の郷土芸能部門・和太鼓部門で、2年連続の文部科学大臣賞を受賞した。優秀校東京公演では、力強い音を奏で、一体感あふれるパフォーマンスを披露した。(中田宗孝)

祈りと願いを表現したオリジナル曲

同校が披露したオリジナル曲「神楽太鼓組曲『祈り』」は、地元の愛知県に古くから伝わる2つの伝統芸能を掛け合わせたもの。2部構成で、前半は「土地に暮らす人々の幸せをともに祈る『芸能の精神』」を表現した。後半は「新たな時代を生きる高校生の未来への願い」を音に込めた。

「震災に見舞われた方々の当たり前の幸せも願いながら演奏しました」(水谷暁さん・3年)。

力強い演奏を披露する太鼓奏者たち(優秀校東京公演で撮影=主催者提供)

曲中では、巫女(みこ)が祈りをささげたり、唄を披露したりと演目構成も豊か。中でも、2頭の獅子が、舞台奥のスクリーンに映し出された満月のもとで舞う姿はハイライトの一つだった。

練習を動画に撮影し動きを確認

演奏中には、左手でバチを回しながら長胴太鼓や締め太鼓をたたく特徴的な打法で観客を魅了した。高度な技術が求められる打法に加え、奏者同士が音をそろえることも曲の完成度を高めるために必要だ。部員たちは練習ごとに動画撮影をして、一体感のある動きになっているか、繰り返し確認した。

「奏者全員の呼吸をそろえるところから意識しました。体の隅々まで神経を尖(とが)らせる。そんな練習を積んできました」(渡邉大雅さん・3年)。