建国高校(大阪)伝統芸能部は、第48回全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の郷土芸能部門・伝承芸能部門で日本一にあたる文部科学大臣賞を受賞した。優秀校東京公演では、雄大な鶴の舞やアクロバティックな演舞を披露し、観客をとりこにした。(中田宗孝)

鶴のしぐさを繊細に表現

ステージ上では笠子帽をかぶり、白い韓服に身を包んだ4人の男子部員が「鶴の舞」を雄大に魅せる。韓国南部に古くから伝わる祝祭の儀式をベースに創作された演舞「東來鶴舞(とんれはくちゅむ)~東來野遊(とんれやゆ)より~」での一場面だ。

鶴の舞を表現する部員たち(優秀校東京公演で撮影=主催者提供)

道具を使わず体全体を駆使して、両翼を広げたり餌をついばんだりする鶴のしぐさを音楽に合わせて繊細に表現した。「4人で鶴の舞をすることで『群れ』も表しています。練習では視線の向きをそろえる、手の角度を意識するなどして全員の動きを合わせてきました」(孫明辰さん・2年)。

アクロバティックな演舞で魅せた

中盤からは、楽器隊による踊りながらの演奏や、アクロバティックな演舞が次々と繰り出され、ステージが一段と華やぐ。複数の演者が頭にかぶる「サンモ」と呼ばれる長いひも付きの帽子を振り回すと、新体操競技のリボンのような動きをみせ、演舞に彩りを添える。「長いひもは首を揺らすのではなく、実は屈伸運動で動かしています」(孫さん)

小栗愛羅さん(2年)は、「本番では仲間たちと目を合わせて声を出し合って。全力で楽しめたし、自分ができるすべてを出せました」と、感慨深く語った。