「第98回全国高校サッカー選手権」が12月30日~1月13日、埼玉スタジアム2○○2などで開催される。活躍が期待される選手を紹介する。(茂野聡士)

今年開催されたU-17ワールドカップに出場した西川潤(神奈川・桐光学園3年)や若月大和(群馬・桐生第一3年)が県大会で敗退し、昨年度の同大会で得点王に輝いた染野唯月(福島・尚志3年)が負傷でメンバー外となった。しかしその中でも注目したい選手は全国各地にいる。

高橋祐翔 長身と左足の技術が武器

連覇を狙う青森山田(青森)は、県大会決勝でPK戦にもつれ込むなど薄氷の展開だった。しかし昨年の主力でキャプテンの武田英寿(3年)と、古宿理久(3年)のJリーグ内定コンビが中盤を取りしきるなど、総合力は例年通り高そうだ。

武田英寿(2019年1月選手権の決勝、幡原裕治撮影)

その青森山田と初戦(2回戦)で激突する米子北(鳥取)では、センターバック高橋祐翔(3年)に注目。188センチの長身と左足の技術で、最終ラインから攻守両面で貢献できる。また2校のブロックには国学院久我山(東京)、昌平(埼玉)、前橋育英(群馬)などの強豪校が多い。興国(大阪)は初出場ながら樺山諒乃介(2年)、杉浦力斗(2年)が世代別日本代表を経験。ゲームメーカーの田路耀介(3年)も卒業後はプロの道に進むなど、将来性の高い選手が目白押し。好勝負が連続するだろう。

谷内田哲平&晴山岬 積極的なプレーに期待

いわゆる「激戦区」を勝ち上がってきた市立船橋(千葉)、静岡学園(静岡)は潜在能力の高い選手が多い。特に市立船橋のサイドバック畑大雅(3年)のオーバーラップ、静岡学園のアタッカー松村優太(3年)のドリブルは高校世代でも屈指の能力だ。

昨年度、下級生主体のチームで好成績を残し、今大会でのさらなる躍進を予感させるのは帝京長岡(新潟)。前回大会では小気味いいパス回しと攻撃でベスト8進出を果たしたが、パサーの谷内田哲平(3年)とフィニッシャーの晴山岬(3年)が最高学年として、さらに積極的なプレーを見せそうだ。

東久留米、五條…公立校も奮闘

私立校が数多く代表校となる中で、公立校も全国の切符を手に入れた。都立の雄である東久留米(東京)を筆頭格に、五條(奈良)が初出場。和歌山工も30年ぶり4回目の出場権を手に入れた。

選手権の優勝経験がある広島皆実(広島)、四日市中央工(三重)も今大会に登場する。特に広島皆実は県大会決勝で前回大会ベスト4の瀬戸内に勝利するなど、実力は確か。そのほかにも山形中央(山形)、秋田商(秋田)、徳島市立(徳島)、今治東(愛媛)、前原(沖縄)といった高校が、公立校での優勝を目指す。