目標を定め、英英辞典を活用

──英語を英語で学ぶ必要があると聞きました。どう実践すればよいのでしょうか。

使える英語を身につけるには「英語を日本語に」「日本語を英語に」訳して理解する習慣から脱却する必要があります。

英語のまま理解したり、英語で考えたりすることができるようになるには、分からない単語や熟語は英英辞典で調べ、ほかの英語表現に置き換えて覚えるようにしましょう。

また、やさしい英語で書かれた本をたくさん読んだり、ストーリーを知っている映画を字幕なしで観たりすることが大切です。そして、読んだり聞いたりした英文の概要を英語でまとめたり、感想を英語で書いたり、言ったりする練習をしましょう。

アウトプットを意識しよう

──インプット(聞いたり、読んだり)するとき、何を意識するべきでしょうか。

読んだり聞いたりするときに、その後に行うアウトプット(話したり、書いたりすること)の目的や形式などを意識しないと、漫然とインプットすることになってしまい、効率が上がりません。

例えば、教科書の英文を読む活動をする場合にも、読んだ後に、英語でサマリー(要旨)を書くのか、読んだ内容について質問するのか、英文の内容に関してディスカッションをするのか、あるいは立場を決めてディベートをするのかによって、読み方も変わります。ディスカッションをするのであれば、読みながら「この箇所は自分と意見が近いから使えるな」とか、「この部分は自分の意見をサポートする情報として使えるな」といった読み方をする必要があります。

期限を定めて明確なゴールを決めることも大切です。例えば、「高校を卒業するまでに、自分の町の良さについて英語でプレゼンテーションできるようになる」といったように、英語を使うという観点から目標を設定してください。学校の英語の先生が、「CAN-DOリスト(学習到達目標)」をすでに作成していて、みなさんにもお示ししていたら、それを参考にしてください。もし見たことがないという場合には、英検やGTECのCAN-DOリストを参考にしてください。

情報と知識を英語でインプットし
自分の考えを持とう

──英語を使ってコミュニケーションをする上で、英語の技能以外で必要なことは何でしょうか。

コミュニケーションとは「相手と関係性をつくり、保ち、修正している状況」のことです。いくら英語ができても、情報・知識が不足していると話はすぐに終わってしまいます。自分の考えが浮かばなければ話は続きません。ですから、いろいろな情報や知識を英語でインプットして、自分の考えを表現できるようになることが重要です。さらに、自分の考えが素早く浮かぶように、日頃から日本語でもよいので、さまざまな事柄について討論を楽しむ習慣をつけましょう。

また、相手の気持ちを声の調子や顔の表情や身ぶり手ぶりから読み取ることを心がけましょう。そのためには、声の大きさ、スピード、音調、イントネーションといった「準言語」も重要です。さらに、アイコンタクト、顔の表情、ジェスチャー、姿勢といった「非言語」の要素に注意を払うことも大切です。