10月31日に発生した火災で、城跡が世界遺産に指定されている首里城の正殿などが全焼した。「何か自分にできることはないか」。外間愛夏(ほかまあいか)さん(沖縄・浦添高校2年)がインスタグラムで呼びかけ、有志団体「首里城を愛する高校生たち」を結成。募金活動に力を注いでいる。外間さんに活動の経緯や今後の展開を聞いた。(野村麻里子、写真は「首里城を愛する高校生たち」提供)
火災知り、涙が流れ…
――首里城全焼を知った時、どんな気持ちになりましたか?
明け方、家族に起こされて火災を知りました。燃えている状況が家から見えて、ただただ悲しくて……。それ以外何も考えきれなくて、涙が勝手に流れてきました。火災当日は、信じられなくて、長い夢を見ているような気持ちでした。
小学生のときに友達とよく遊びに行ったり、首里城祭という祭りに参加したりしていたので、首里城はまるで庭のような感覚でした。ベランダから見えたので、「首里の人」として誇りでもありました。
インスタでメンバーを募集
――メンバーはどうやって集めたんですか?
火災翌日、「募金活動をしたいから、誰か相談乗って」とインスタグラムで呼びかけました。実際に11月2日に募金活動を行ったところ、「ほかの人も集めたい」と感じました。友人二人と協力して話し合いながら、「高校生なりに何かできることはないか」と模索し、団体を結成したんです。団体用のアカウントを作り、さらにメンバー募集をしました。
Instagram @all_love_for_shuri_castle
Twitter @LoveForShurijo
3日間で53万円を集めた
――成果はどうでしたか?
街頭で募金を呼びかけ、11月2日から3日間で約53万円を集めました。「高校生が行動してくれると、こちらも活力になるし、励ましにもなるから嬉しい」などの声をかけてもらいました。これまでに、沖縄在住の高校生58人が参加し、基本的には毎週土日、国際通りの「てんぶす那覇」という場所に立って、募金活動を続けています。
群馬や茨城、北海道などから修学旅行に来た高校生に「今日行くつもりだったけど、行けないのが悲しい。一刻も早い再建を願っています」「遠いとこらからにはなるんですけど、これからも応援してます。頑張ってください!」など、声をかけてもらいました。
――玉城デニー沖縄県知事に面会に行ったそうですね。
53万円を寄付しに行きました。玉城知事には「この集まったお金を何に使うのかを明確に示してほしい」「首里城付近でも、高校生の団体として募金活動を行える場所を提供してほしい」などを伝えました。
チャリティーイベントを開きたい
――活動を通して、感じたことはありますか?
県内外、海外の方もみんなショックを受けていて、何か出来ることを探しているのだなと思いました。募金してくださる皆さんが一刻も早い再建を願っていていらっしゃいます。その人たちから任されているし、沖縄の「おじい、おばあ」たちの心の支えにもなっていることを実感しました。そして、「募金、おつかれ」と差し入れも頂くこともあり、とても暖かい気持ちに包まれています。
今後は募金活動だけではなく、いろいろな学校の部活をしている高校生にお願いして、チャリティーイベントなどを行おうと思っています。