Q 祝日の「体育の日」の名前が変わるの?

A 国民の祝日に関する法律が改正され、50年以上続いた「体育の日」の名称は2020年から「スポーツの日」に改められる。祝日法はスポーツの日の意義を「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」と説明している。カタカナがつく祝日は初めてだ。

東京オリンピック・パラリンピックを機に名称変更

Q 「体育の日」から「スポーツの日」に名称が変わるのはなぜ?

A 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催も機に、世界で使われている「スポーツ」の言葉を使い、「スポーツの価値」を世界の人々と分かち合おうといった理由からだ。国会議員でつくるスポーツ議員連盟が、東京五輪・パラのほか2019年のラグビーワールドカップの日本開催も視野に2016年から検討を続け、2018年に議員立法で法律が改正された。

Q 「体育」と「スポーツ」は違うの?

A 「体育」は、今では学校の授業のイメージが強いよね。2011年にできたスポーツ基本法には、「スポーツは世界共通の人類の文化である」「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利」とうたわれている。授業だけでなく、自発的にスポーツを楽しんだり、スポーツを通じて地域交流や国際交流を図ったりといったスポーツの役割や価値が広く見直されている。

2020年だけ祝日移動の法律で「スポーツの日」は7月24日に

Q 「スポーツの日」の日付は変更されるの?

A 「体育の日」は、これまで10月の第二月曜日だったが、「スポーツの日」になっても変わらない。ただし、2020年だけは7月24日がスポーツの日になり、10月の祝日はなくなる。2021年以降は10月第2月曜日に戻る。

Q なぜ2020年だけスポーツの日が7月に移動するの?

A 東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、2020年に限って開会式や閉会式の前後に祝日を動かす法律ができたためだ。開会式当日の7月24日(金)がスポーツの日になる。本来、7月第3月曜日の祝日「海の日」は7月23日(木)に移動される。本来、8月11日(火)の祝日「山の日」も閉会式翌日の8月10日(月)に移動される。観光客が増え、海外の要人も多く訪れる開会式・閉会式の前後の交通量を減らし、大会をスムーズに運営する狙いがあるとされる。土日を含めると開会式前後は4連休に、閉会式前後は3連休になるね。

2020年の祝日「スポーツの日」は7月24日に移動される。「海の日」の日程も変わり、4連休になる(スポーツ庁の資料より)

Q 「体育の日」の祝日はいつからあったの?

A 1964年の東京オリンピックの開会式が行われた10月10日が1966年から「体育の日」として祝日になった。2000年からは連休を増やすために、10月の第2月曜日が「体育の日」とされた。

Q 学校の授業の「体育」は変わらない?

A 教科の名称はこれまで通り「体育」が使用される。教科としての教育的な意義に変更はないとの考えからだ。学校の「体育館」の名称変更も国は求めていない。ただ、国などが毎年開くスポーツ大会「国民体育大会」の名称は2023年から「国民スポーツ大会」(略称・国スポ)に変わることが決まっている。また、国内のスポーツ団体をまとめる「日本体育協会」の名称は2018年から「日本スポーツ協会」に変更されている。