参議院議員選挙の投票日が迫っている。前回の参院選(2016年)から「18歳選挙権」が実現したが、18歳と19歳の投票率は20代よりは高かったものの平均を下回った。18歳には、「投票慣れ」した大人とは違う選挙風景が見えているのだろうか。初めて国政選挙の選挙権を得た18歳の女子大学生に、参院選をどう見ているか、若者の政治への関心が低い状況をどう思うか、本音を聞いてみた。

参院選「全く話題に出ない」

Q 選挙のことは学生の間で話題に出ますか。

私の周りではまったく出ません。大学の友人との会話で、「選挙」という言葉が出たことは無いです。みんな、授業の課題や試験、週末出かけることについてしか話しません。

Q 周りの学生は選挙のことをどう思っているのでしょうか。

友人に聞いてみたら、「頑張っていると思う」とか、「国の行方を決める重要なイベントだ」と言っていました。選挙に関心を持つことや投票に行くことが大切だ、という認識はたくさんの人が持っていると思います。若者の投票促進のための運動をしている大学生もいるようです。ただ、選挙に対して自分の意見を本気で考えている人は、実際そんなに多くないのかなと私は思います。

Q 投票日は知っていますか。

急に聞かれると、自信をもって答えることは、正直できません。ネットで確認したくなってしまいます。普段から選挙の情報について知ろうとしていない証拠なので、恥ずかしいです…。友人に聞いても、投票日を知っている人は半分くらいでした。

参院選は7月21日に投開票される(写真は本文と直接関係ありません)

選挙運動は大事と思うが、押しが強すぎるのは怖い

Q 街で選挙運動を見てどう感じますか。

この前、駅前に選挙カーが来て候補者が演説をしていました。たくさん人が集まっていることにまず驚きました。バス停のところに演説を聞きに来た人や、演説をしている候補者の支援者の人がいて、バスに乗るのが大変でした。あと、運動員の方がチラシを配っていたのですが、私に渡そうと歩いてついてきて、怖かったです。その人が一生懸命なのはよく分かるのですが、押しが強すぎて怖いと思ってしまいました。選挙運動自体は、候補者の公約や党の政策を知るために大事なことだし、効果があることだと思います。でもこうした選挙運動を見て、投票に行こうという気持ちには、私はあまり思いません。

候補者の情報は、テレビよりネットで

Q 候補者についての情報は、どう集めていますか。党首討論や政見放送は見ましたか。

候補者についての情報は、ネットで自分の選挙区名と「候補者」と入力して検索します。あとは、ポスター掲示を見て、どの党から誰が立候補しているのかを少し見ます。政見放送や討論は、テレビで放送されていたら少し見るくらいで、テレビの情報は自分からすすんでは見ません。ネットがメインです。

Q 投票に行きますか。どの党、候補者に入れるかはどう決めますか。

こうやって選挙について聞かれることになって色々調べたので、投票には行こうと思います。ただ、もしきっかけがなかったら、投票に行くことにしたかは分かりません。どの党の誰に入れるかは、ネットで公約や政策を調べて、自分の考えと照らし合わせて決めようと思います。でも、自分と考えが合う人がいない場合、どうすればいいか分かりません。