アフリカの人口は2050年には世界の4人に1人に当たる25億人を突破すると見込まれている。域内の多くの国で高い国内総生産(GDP)の成長率を維持、レアメタル(希少金属)など豊富な天然資源にも恵まれ、可能性を秘めた巨大経済圏として注目される。8月28日からは横浜でアフリカ開発会議(TICAD)も開かれる。

8月に横浜で開発会議

 
 

8月28~30日には横浜で、日本が〝対アフリカ外交の要〟と位置づけるアフリカ開発会議(TICAD)第7回会議を開催。これに併せて「日本・アフリカビジネス&EXPO」が催され、事業拡大を目指す27都道府県から中小企業82社を含む過去最多の157の企業や団体が出展する予定だ。

アフリカの潜在性には各国が注目する。中でも、「一帯一路」構想を掲げる中国は支援・投資で関係を著しく強化、国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、16年の直接投資は11年比で2倍超に急増した。その背景には、国連加盟国の中でも最大グループであるアフリカ54カ国を取り込もうという政治・外交戦略がうかがえる。

また、アフリカ諸国と歴史的なつながりが深い欧州諸国、インドや米国なども支援の公的枠組みを設けている。

貧困や政情不安が課題

リーマン・ショック以降、先進国や新興国の成長が鈍化し新たな市場を求める動きが加速する中、アフリカ市場への注目度は高い。同時に課題も多い。各国の国力や発展の度合いはさまざま、経済格差も深刻で、貧困解消は依然重要なテーマだ。エボラ出血熱などの感染症対策、民族間対立などによる政情不安、テロ対策、未整備のインフラ……、企業進出の障害となる問題は山積している。

日本の強み生かせるか

日本はもはや資金力では中国に到底太刀打ちできないし、欧州諸国に比べれば距離も遠い。だが、日本の支援・協力には質の高さ、技術、パートナーシップや人材育成の尊重という長所もある。日本単独で限界があればタイやベトナム、インドネシアと組んだ「アジア・アフリカ協力」など新たな形を模索する必要があるだろう。

【memo】アフリカ開発会議(TICAD)

アフリカの開発や支援をテーマに日
本政府が主導し、アフリカ連合(AU)や国連などと開く国際会議。1993年に第1回会議を東京で開催、以後5年ごとに日本で開いてきたが、アフリカ初開催の第6回会議(ナイロビ)から3年ごとの開催となった。