3月に開催されたSGH甲子園(関西学院大学)では3人で発表した

島根県出雲市は、特に若い世代の減少が著しく、出生数も減り少子化が進んでいる。出雲高校(島根)の4人は、「出雲を盛り上げたい」「出雲の魅力が分かる人を増やしたい」と、人口増加のためには出産、育児のしやすい環境を整える必要があると考えた。

地域の支援が必要

出雲市が行った少子化対策に関するアンケート調査結果では、実際に育てている子どもの人数が理想より少ない理由は、「子育てのための経済的負担が大きいから」との回答が6割を超えていた。だが、都道府県別の県民所得や1人の女性が生涯、何人の子供を産むのかを推計した指標、合計特殊出生率を調べた結果、所得額と出生率の高さに相関関係はないと分かった。一方、病児保育室が整備されるなど地域で子育てをする島根県邑南町、親子専用の駐車スペース設置など周囲の支えがあるフランスなど、出生率の高い地域や国では地域の支援があることに気付いた。

子育て支援のために、出雲市に病児保育室、学童保育室、高齢者を含む地域住民の集会所を兼ねた総合集会所の設置を提案する予定だ。「そこで働くスタッフも含めて多くの世代が交流でき、地域のつながりを強める施設になる」(瀧由之君)
(木和田志乃)