チャオ! イタリアのインターナショナルスクールに2年間留学中の一丸です。今回は、学校内で行った模擬国連の取り組リード文を入力してくださいみを紹介します。(一丸暖歌・3年)

朝鮮半島の平和をテーマに議長を経験

私の通う学校では、毎年4月の初めに1年生全員参加の模擬国連が行われます。私は2年生なので、議長として運営する側に入りました。安全保障理事会を模した議場で、テーマは「朝鮮半島に平和を築くためには」。アジア圏以外出身の友達の間では、「極東」と呼ばれる東アジアはまだまだなじみが薄い地域です。

事前準備を元に一人一国を代表する

模擬国連のルール、初心者には難しい

模擬国連は初めてという人が多かったため、ルールや予備知識などをまとめた説明会を事前に3回ほど開きました。それでも初日はルールに戸惑っている様子で、議論に集中できない状況になってしまいました。私は議長として、「自分のことは第一人称で呼ばないでください」など、正直どうでも良いと思ってしまうことを注意しなければならず、少しストレスを感じていました。

出だしはそんな調子だったので、「午後はもう少し議論を戦わせてみようよ」と提案。すると今度は、グループ全体が討論を盛り上げること自体に専念してしまった様子。「朝鮮半島に平和を築くために、参加者一人一人が割り振られた国の代表としてディスカッションをする」という目的からは少し外れた流れになってしまいました。

強制参加なので、みんなそれぞれモチベーションは異なります。全員が同じ目的意識を持って行動することは難しいと実感しました。

自然と先進国中心の流れになってしまった

参加したメンバーに感想を聞くと「議論の途中から拒否権がむやみやたらと行使されるようになった。世界平和に貢献することが目的の国連でも起こっているのか、と思うと幻滅してしまった」と振り返った子がいました。私自身、議論を発展させるために、つい常任理事国の発言権を優先しがちになっていました。国連が批判される理由の一つである「いわゆる先進国中心の流れをくみがちだ」と同じ状況になっていたことに気づきました。

「国連は何もしてくれない」イメージの良しあしはさまざま

私の通っている学校には80カ国以上から生徒が集まっています。友達には実際に国連でインターンを経験したことがある人や、イスラム国に自分の村が襲撃された際に国連は何もしてくれなかった経験を持つクルド人がいます。国連に対する多様な見方を知ることができました。

自分の出身地域とは違う国を担当することで、世界に対する見方が少し他人事ではなくなる

また、アメリカのことが好きでないメキシコ人が、セッションでアメリカを代表して討論しなければいけないことで、それまで毛嫌いしていた国の政治的手法の背景を考えるといった良いきっかけにもなるようです。自分が実際に行動してみることで得る学びは大きいな、と改めて感じさせられた経験でした。