中学時代に起立性調節障害を発症し、今は通信制の高校に通っています。昨年「何かに挑戦したい」という思いで、オーストラリアに1カ月間留学。海外での暮らしも、家族と離れて過ごすのも初めてでした。(高校生記者・ベル=2年)
起立性調節障害の私、「何かに挑戦したい」
私は中学3年生のときに、起立性調節障害を発症。全日制の高校に入学したものの、1週間もしないうちに通えなくなり、通信制に転校しました。
今も毎日通学できているわけではなく、休む日も早退する日もあります。ですが、「何かに挑戦したい」という思いが湧いたのです。

留学した先輩の姿に憧れて
オーストラリアへ留学した先輩にひそかに憧れ、私も挑戦したい気持ちが強くなりました。転校などでお金がかかっていたので、家族には「申し訳ないな」と感じつつ相談。家族は快く行かせてくれて、とてもうれしかったです。
ちゃんと留学先の学校に通えるか心配でしたが、学校がサポートしてくれて、周りの子と同じように通えました。学校が提供するプランを使って留学しましたが、病気があることだけ伝え、特別な配慮はお願いしていませんでした。
学校の友達や先輩もたくさん背中を押してくれました。昨年9月、オーストラリアへ1カ月の留学が決まりました。
体調を崩すとホストファミリーが支えに
特に思い出に残っているのは、オーストラリアの人の温かさです。私のカタコトの英語も、応援しながら一生懸命聞いてくれます。日本からの訪問をとても褒めてくれる人もいました。
ホストファミリーは、私が体調を崩した時には寄り添ってくれて、とても優しい家族でした。一緒にショッピングに行ったり、パーティーをしたりして絆を深め、今でも連絡を取り続けています。

将来の夢を見つけた「英語の教員になりたい」
高校生のうちに留学できたのはとても貴重な経験で、一生の宝物。留学の経験を生かし、英語の教員を目指します。
さまざまな人種の人がお互いを認め合う環境で過ごせて、多様性にも目を向けられるようになりました。日本でも、人種をもっと多様に認められるように周りの人にも伝えていきたいです。不登校の経験があっても、起立性調節障害を抱えていても、勇気を持てば新しい挑戦ができるとわかりました。