経済学に興味があるけれど、実際にどんなことを学ぶのかイメージが湧かない…。そんな高校生に向けて、神戸大学経済学部の中西訓嗣教授に、経済学部についての疑問に答えてもらった。(木和田志乃)

Q.経済学部で学びたい高校生が今から身に付けておいた方がよいことはありますか?

A. 意外な学問の知識が役立つ

 

経済学は、数学はもちろん歴史や化学などさまざまな面から研究できます。高校時代に好きだった分野・科目の知識が、経済学の理解を助けることになるかもしれません。

例えば、電化製品が不要になった時は、廃棄するのかリサイクルするのか。その製品がリサイクルできるかできないかは理科の問題ですが、環境問題自体は経済学の研究対象です。歴史が好きな人は、古文書などの歴史資料をひたすら読み込みます。歴史的な事柄がなぜ起こり、何をもたらしたのかを知り、そこから現在の経済的な変化を読み解く研究をしている人もいます。

経済学の世界とはややかけ離れて見えるような学問分野の知識が実は経済学の勉強に役に立つといったことは多々あります。その意味では、語学を始め、理科系科目、数学のほか、日本史や世界史など政治経済以外の社会系科目も広く学んでおくとよいと思います。

また、現代はグローバル経済の時代です。英語などの外国語を習得し、異文化を理解することのできる人は、経済学部で学ぶことで国際機関や外資系企業などで活躍するチャンスが開けるかもしれません。

 

中西訓嗣教授(神戸大学大学院経済学研究科長・経済学部長)

なかにし・のりつぐ 広高校(広島)出身。広島大学経済学部卒。神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了。経済学博士。専門は国際経済学。時差がサービスの国際貿易に果たす役割に関心。