新天皇陛下が5月1日、皇太子から即位され、「平成」が終わり、「令和」に改元された。新陛下は59歳。85歳の前天皇陛下は4月30日限りで退位し上皇となった。
Q 新天皇皇后両陛下のご経歴は。
A 新天皇は上皇ご夫妻の長男で、「水問題」の研究をライフワークとし英オックスフォード大で学んだ留学経験のある初の天皇。日本山岳会に所属する登山家でもある。皇后となった雅子さま(55)は米ハーバード大で学び外務省に入省、外交官としてのキャリアを積み、1993年6月に結婚した。
Q 新天皇のご公務は。
A 憲法第1条は「天皇は、日本国の象徴であり、国民統合の象徴」と定める、8条までの第1章「天皇」に関する規定で、皇位が世襲であることや国の政治に関与できないことが記されている。できるのは、国事行為と呼ばれる仕事で、国会の指名に基づき首相を任命し、内閣の指名に基づき最高裁長官を任命する。内閣の助言と承認により、法律の公布や国会召集、国務大臣の任免、各国大使の接遇、儀式などを行う。
Q なぜ役割が制限されるの。
A 戦前の大日本帝国憲法では、天皇は「統治権の総攬(そうらん)者」とされた。昭和の時代、日本は「天皇」の名の下に戦争に進み、多大な犠牲を出した反省から、現行憲法を制定する際に機能を制限したとされる。
Q そもそも「象徴」とは。
A 憲法では具体的なことは記されていない。上皇さまは「国民に寄り添い、苦楽を共有すること」が象徴の姿としてふさわしいという結論に達したとされる。