千葉西高校放送技術部は、昼の校内放送や学校行事での司会など学校の放送業務に取り組む。部員たちは、発声練習に励み、アナウンスや朗読を行う「読み班」と、映像の撮影・編集技術などを磨く「機材班」に分かれ、大会に向けた活動もしている。

「読み班」の山本萌乃さん

県内の寺院を題材に

 「読み班」の山本萌乃さん(3年)は、昨年11月、千葉県の放送コンテストのアナウンス部門で優秀賞を受賞。今夏の全国高校総合文化祭(2019さが総文)の放送部門への出場が決まった。県大会では、県内の寺院を自ら取材し、原稿にまとめた「茂原の巨大銅像」を読んだ。資金難のため未完成のまま寺院に安置された、日蓮聖人の頭部だけの銅像に迫る内容だ。「頭だけの銅像のインパクトをいかに文章と声で伝えるかが重要と考え、『茂原市にある藻原寺(そうげんじ)に巨大な顔の銅像が現れました』から始まる、原稿冒頭の言い回しは特に推敲(すいこう)を重ねました」(山本さん)

総文祭用の原稿

口調と声色、努力重ね武器に

 「はっきりした口調と声のトーンが自分の武器」と語る山本さん。だが1年生のころは、「原稿を読むスピードが速くなりがちで、話を区切る『間』も作れていなかった」。大会までに課題だった「ら行」や「ま行」の単語を繰り返し発し、滑舌を磨いた。また、「NHK杯全国高校放送コンテスト」優勝者のアナウンス技術を参考にした。「明るい話題と暗い話題を伝える声の強弱の付け方が私と違った。原稿内容に合わせて変わる豊かな表情もすごい」

山本さんは本番原稿に、驚き顔や明るい顔などの顔文字を書き加え、表情の変化を心掛けた。また、各文章の間に「0.5」「2」と秒数を書き込み、「間」に気を払った。「大会では、人に伝える意識を強く持って話しました」

部活データ

1989年創部。部員16人(3年生8人、2年生8人)。週5日活動。NHK杯全国高校放送コンテスト5年連続出場中。2019さが総文の出場が決まり、全国高総文祭は今年で6年連続出場となる。