携帯4社に電波割り当て

携帯電話などに使われる新たな通信方式の規格となる第5世代(5G)移動通信システムの導入に向けた動きが加速している。総務省は電波をNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社に加えて今年10月に新規参入する楽天に割り当て、5Gの運営は4社体制となった。

速度100倍、サービス拡大

5Gの実質的な通信速度は現行の第4世代(4G)の100倍とされる。データ容量の大きい高精細の映像をスムーズに伝送できるようになり、当初は動画視聴サービスが拡大するとみられる。また、同時に膨大な数の端末に接続できる「多数同時接続」、通信による時間のずれが少ない「低遅延」も特徴で、自動運転や建設機器の遠隔操作技術での発展も見込まれる。通信規格の世代交代は、携帯端末やスマートフォン利用のほか、あらゆる機器をネットワークにつなぐ「モノのインターネット(IoT)」など産業向けの活用が期待されている。

4社は2020年春から本格的に高速大容量のサービスを順次展開、20年度内に全都道府県での提供を目指す。NTTドコモ、KDDIは今年9月のラグビーワールドカップ(W杯)で映像サービスなどに5Gを活用する方針で、ソフトバンクも19年中の試験運用を計画している。

米国と韓国では既に一部でスマホ向けサービスが始まっており、5Gを利用したサービスの開発競争が世界的に加熱。通信機器メーカーも、コストの安さでリードする中国の華為技術(ファーウェイ)、エリクソンとノキアの北欧勢などの競争も激化しそうだ。