全国の県知事選挙や県議会議員選挙などが一斉に行われる「統一地方選挙」の前半の投開票が4月7日に行われました。とりわけ大阪府知事選挙と大阪市長選挙が大きく報道されたのはなぜでしょうか。

大阪府議会と大阪市議会では「大阪維新の会」が大きな勢力を保っています。大阪府知事と大阪市長も「大阪維新の会」の政治家が務めています。

「都構想」とは

「大阪維新の会」が力を入れている政策が「都構想」です。これは、大阪市を廃止して、東京都の23区のような特別区に改める制度改革です。現状では、大阪府と大阪市の担当する業務に重なって無駄な部分が多いことなどからこのような改革が必要と維新の会は主張してきました。

「ダブル辞任」で打開はかる

しかし、この政策に他党は慎重だったり反対だったりしました。そこで、大阪府知事を務めていた松井一郎氏と、大阪市長を務めていた吉村洋文氏がそれぞれ任期途中で辞職することで、府議会選挙や市議会選挙にあわせた選挙に打って出ました。都構想に注目を集めて、知事選、市長選、府議選、市議選のすべてを制して、構想を進めようとしたのです。

「クロス選挙」に批判も

松井氏は大阪市長に、吉村氏は大阪府知事に立候補した「クロス選挙」となったことが注目を集めました。これは、これまでと同じポジションに立候補して当選すると任期が短くなってしまうルールがあるため、あえて別のポジションに立候補したものですが、法律の穴をついたともいえるため、批判を集めました。

結果的に、松井氏は大阪市長に、吉村氏は大阪府知事に当選しました。有権者の一定の支持を得たといえます。今後の「都構想」の行方が注目されます。