チャオ! 私は、イタリアにあるインターナショナルスクール「ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)」に2年間留学中です。今回は「アジア・中東ウィーク」についてリポートします。(高校生記者・ 一丸暖歌=3年)

浴衣着て扇子もってダンス

異なる文化への理解を深めるために東欧、ヒスパニック系やアフリカ・カリブ海など地域ごとに「カルチャーウィーク」という一週間が設けられています。80カ国から集まる生徒のうち、欧米出身ではない生徒は少数なので、日本人は「アジア・中東ウィーク」に参加します。

この一週間は、食堂に国別の音楽が流れたり、学校中に国旗を飾ったりしました。地域の料理の試食会では、私はたこ焼きを振る舞いました。土曜日の夜に行われたショーでは、浴衣を着て「千本桜」の曲に合わせて扇子を使って踊ったり、奥の細道の俳句を詠んだりと、日本の文化を共有することができました。2週間前から準備を重ねただけあり、大成功を収めることができて感慨深かったです。

ショーで踊っている様子

ワークショップで塾について考えてみた

中でも特に思い出深いのが、ミニ講座を開いたことです。ウィーク中は毎晩、主に政治や社会問題などについてワークショップを開くことができます。私も、東アジアの勉強事情とメンタルヘルスについて話をする機会をもらいました。日本人の忙しい学校生活から自殺率などの統計まで幅広く、1時間ほど語りました。

予想外だったのが、話が「塾」に及んだ途端に聞き手から質問が止まらなくなったことです。「何歳から入り始めるの?」「何を勉強するの?」などの問いに答えていくうちに、「塾はそもそも裕福な家庭の子どもだけが行けるもの」「塾があると家族で過ごす時間が少なくなってしまう」などと、自分でも今まで考えが及んでいなかった問題点に気づくことができました。「塾という教育システムについてどう思うか」を問われた時、「良しあしは何とも言えないが、何のために勉強するのか定まっていないのに塾に行ってひたすら勉強することは不条理に感じる」と答えました。

個人の経験を元に話すよう心がけていたのが幸いし、「インターネットなどでは知りえない話まで聴けて良かった」と好評に終わったことが何より自信につながりました。

次回はプロジェクトウィークという一週間のボランティア期間についてお話ししようと思っています。それでは、チャオ!