チャオ! 私は、イタリアにあるインターナショナルスクール「ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)」に2年間留学中です。日本とは異なった生活についてお届けします。(高校生記者・ 一丸暖歌=3年)

日本にいたら塾通いの日々で終わってた

海外大学への出願が終わりました。残りわずかのイタリア留学生活を満喫したいと思う反面、不合格だった場合や大学を見据えてしっかり勉強しなければいけない。葛藤する毎日です。

卒業後の生活について現実味を持って考え始めた今、もし、留学せずに日本にいたらどのような将来が待っていたのだろうと考えることがあります。おそらく塾に通って問題集とにらみ合う日々を繰り返していたと思います。どちらの環境が良いのかには人によるでしょう。私にとっては、自分の頭で考え、意見を発信する力を鍛えられたことは、留学して格段と成長したと感じる貴重な経験です。ただ暗記してアウトプットするのではなく、問題提起力や批判的思考力が身につけられました。

モロッコ人の親友とスロベニアの国境を歩いて越えた(右が一丸さん)

理想の自分になりたい

留学で得た考えや能力を社会に還元できるよう、最後の学期は「考えと行動を一致させること」を小さな目標に掲げました。学校では持続的社会を意識して、肉を食べることを減らしています。ところが、家に帰ると「久しぶりに焼き肉を食べたいな…」という誘惑に負けてしまいます。ほかにも、環境破壊につながるプラスチック製品をたくさん使ったり、友達の何気ない性差別的な発言を指摘することなく見逃してしまったり……。

学校から出ると、つい「こうありたい」という理想を見失ってしまいます。全て、自分の心地よい方向に流されていることが原因だと思っています。それであれば、自分の望むように生きる結果が社会のためにもなる。そんな人になろうという思いを胸に、残りの留学期間を精いっぱい過ごしていきたいです。

次回は2年に1度の学校行事、アジア・中東ウィークについてお届けします。お楽しみに!

たこ焼きがお手軽で美味しいと友人からとても評判(右が一丸さん)