高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q.苦手科目を得意にするには?

A.自力で解けるまで問題集を繰り返そう。

 

基礎の基礎がわかる参考書を用意して

苦手科目がある場合は、分かりやすい参考書にまだ出合えていない可能性があります。できない科目を好きになることはないので、苦手を克服するには「できる」という経験を積み重ねることが大切です。まずは「基礎の基礎」を分かりやすく解説している参考書を用意して、基礎的な事柄をしっかり理解しましょう。

解けない問題はすぐ解説を読んでOK

参考書を読んだら、次は問題集を解いてみます。問題集は基本レベルの簡単な問題が載っていて、解説・解答が詳しいものを選んでください。解けない問題があれば、すぐに解説を読んでかまいません。解き方を理解したら、少し時間を置いてから同じ問題にもう一度取り組み、自力で解けるようになっているかを確認しましょう。理解があやふやな場合は、何も見ないで解けるようになるまで繰り返します。

「分かる」だけでなく「解ける」までやる

勉強しているのに成績が上がらない場合は、勉強のやり方が間違っている可能性があります。「分かる」ことと「解ける」ことは別物なので、参考書を読んだだけ、授業を聞いただけで、苦手科目が得意になることはありません。習った知識を使いこなせるようにするには、問題集を自分で解けるようにすることが不可欠です。進学校に通っている人や難関大を志望している人も、まずは基本的な問題集を選び、何も見ないで自力で解けるようになるまで何度も繰り返し取り組むようにしてください。

船登惟希(ふなと・よしあき) 東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。