「臨 齋宮女御集」

豊島岡女子学園高校(東京) 佐藤菜都美さん(3年、書道部部長)

(2018信州総文祭書道部門奨励賞)

――何を書いたの?

齋宮女御は三十六歌仙の一人で、高雅な人柄だったといわれています。それを踏まえ、たおやかな雰囲気の作品に仕上げたいと考え、優しく豊かな色彩の料紙を組み合わせて使用しました。繊細かつ伸びやかな線質を出すために、墨は少量ずつすって濃さを一定に保ち、筆運びは柔らかく、またリズム良く書くことを常に意識しました。理想とする、流れるような美しさを表現できるまで、根気強く作品と向き合い続けました。

――良い作品を作るこつは?

力強い線を書くことは苦手でしたが、その分、作品を見た人に何か温かい気持ちを届けられる作品作りを目指していました。自分の得意を伸ばしながら、何を紙面に表現したいのかを考えることも大切だと思います。また、「書」は個人作業ですが、書道部の仲間がいたからこそ、地道な努力を続けることができました。